【監督】湯浅政明
【原作】ロビン西
【出演】 今田耕司/前田沙耶香/藤井隆/たくませいこ
【個人的評価】★★★★★
【あらすじ】主人公 西は電車で、初恋の相手 みょん と再会する。彼女の案内の焼き鳥屋で、彼女はりょうと婚約していることを知る。落ち込んでいるさなか、借金取りのヤクザが押し掛け、騒動に巻き込まれて、お尻の穴から脳天を拳銃で撃ち殺されるという、情けない死に方をする。死後、現世に未練のある西は、神様の意思に逆らい自力で生還をする。
・湯浅政明監督は、天才アニメーターとして、ちびまる子ちゃんやクレヨンしんちゃんで活躍していました。
・本作は、湯浅政明の映画監督デビュー作となります。
・その後は、寡作ながらも、個性の強い作品を作り出しています。
・音楽関連の関係者がすごく、音楽 山本精一、音楽プロデューサー:渡辺信一郎、ミュージカルピアノ演奏:菅野よう子というスタッフが関わっています。
・MINDGAME REMIX Directorとして、森本晃司もスタッフに参加しています。
・物語は至ってシンプルに見えて奥の深いメタファーが多数込められています。
・また、絵柄が独特すぎるところがあり、動きを見せるという点では非常によくキャラクターが動いています。
・また、広角レンズで撮影したアングルをはじめ、トリッキーな構図ながらもわかりやすい画面構成で物語を描いています。
・序盤中盤終盤と場面が各々異なり、序盤は死ぬまで、中盤はその後の世界、終盤は激動の脱出劇となり、緩急のつけかたが秀逸です。
・多少、中盤はダルい印象もありますが、このダルさから一転のクライマックスまでの流れが凄まじいです。
・終盤の脱出劇は、まさしくモラトリアムからの脱却も意味しており、壮絶すぎる作画と音楽には、息を飲まずにいられません。
・途中、骨折するシーンもありますが、この骨折のエピソードをもの凄く早いペースで説明しながらも見事復活する点は思わず涙してしまうほどの展開です。
・中盤では、西とみょんのラブシーンがありますが、このラブシーンは尋常ではない描き方をしており、メタファーだけで彩られた世界で見事描ききっているところはすごいです。
・色々と画期的な演出と、躍動する音楽も絡み合い、なんとも言えない異形感がありますが、慣れてしまうとむしろ、
その根底に確固たるテーマの眠っている名作であります。
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