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【日本映画】「海辺の映画館 キネマの玉手箱〔2020〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】大林宣彦
【出演】厚木拓郎/細山田隆人/細田善彦/吉田玲/成海璃子/山崎紘菜/常盤貴子/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】尾道にある映画館「瀬戸内キネマ」が閉館となり、最終日の「日本の戦争映画大特集」を見ていた3人は、突然スクリーンの中に吸い込まれる。

 

 

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・大林宣彦監督は、広島県尾道市に生まれ、6歳で35mmフィルムでアニメを作り、そのころから映画製作に興味を示し、CMディレクターとして活躍後、1977年「HOUSE ハウス」で商業映画デビューをしています。「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」は、尾道三部作とも呼ばれています。1992年「青春デンデケデケデケ」で文化庁優秀映画作品賞を受賞しており、1998年「SADA」では、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞をしています。

・本作は、2019年の東京国際映画祭で上映されていますが、劇場公開を前に大林宣彦監督が他界をし、遺作となっています。

・厚木拓郎は、舞台やテレビで活躍し、1999年「あの、夏の日 とんでろ じいちゃん」で映画デビューをしています。

・物語は、尾道の閉館が決まった映画館で最終日の上映で、観客がスクリーンの中の世界に没入しそこで描かれる世界の物語です。

・序盤からすでに映画でありながら演出が独特であり、タイトルバックの斬新なところが光ります。

・そして、高橋幸宏がまた不思議な感じで登場するのですが、正直ここまでの展開で戸惑うしかないところはあります。

・映画のようで映画ではない演出構成は、映画の文法に対する挑戦のようにも思え、でも、こんな感じが大林宣彦映画だったのかもしれません。

・良く言えば斬新、悪く言えば、1970〜1980年のような古めかしい演出手法とも言えます。

・モノクロやトーキー、カラー映画と様々な映画の歴史を紐解いていくような作品とも思え、そもそも、本作には「物語の筋はない」と考えたほうが良いです。

・179分という長時間の作品ですが、過去の大林宣彦監督作品に出演した人たちも登場しており、まさしく集大成というところを感じます。

・雑っぽい合成も実はそもそも演出でしかなく、映画という作品の構造を構成した作品なんだろうと思います。

・成海璃子の体当たり演技もあり、ちょっとびっくりしましたが、ここも大林宣彦映画として、こういう要素は必要ではあります。とはいえ、明らかに本物ではないのですが、この雑なようなCGが逆に良かったのかもしれません。

・いや、雑ではないのです、この演出だからこそ成立する作品とも思えます。

・一人で何役も演じているところも、本作の構成のポイントで、この構成で難解な印象と、ループ感を感じてしまいます。

・ともあれ、3時間という時間に6時間近いような内容を織り込んでいるようにも思われ、大林監督が込めたかった意図はこの題名からも意味するところにも思えます。

 

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