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【日本映画】「ビューティフルドリーマー〔2020〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】本広克行
【原案】押井守
【出演】小川紗良/藤谷理子/神尾楓珠/内田倭史/ヒロシエリ/森田甘路/伊織もえ/かざり/秋元才加/池田純矢/飯島寛騎/福田愛依/瀧川英次/升毅/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】先勝美術大学の文化祭の前日、学生たちが慌ただしく準備に追われている中、その日の朝に不思議な夢を見たサラが、映画研究会の部室で古い脚本と演出ノートと16mmフィルムを見つける。その作品を完成させようと映画研究会の映画制作が始まる。

 

 

ビューティフルドリーマー

ビューティフルドリーマー

  • 本広克行
  • 日本映画
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・本広克行監督は、学校卒業後、ADやディレクターの仕事を経て、1992年深夜ドラマ『悪いこと』にてドラマ監督デビューをしています。その後、1996年『7月7日、晴れ』で映画監督デビューをし、織田裕二の推薦で『踊る大捜査線』のチーフ演出に抜擢され、ヒット作として、シリーズ映画2作目において実写邦画興行成績の歴代1位となっています。その後もアニメ監督等幅広い演出能力を発揮しています。

・押井守は、1977年よりアニメーション業界でキャリアを始め、『一発貫太くん』や、『ヤッターマン』で演出デビューをしています。1983年『うる星やつら オンリー・ユー』で劇場映画監督デビューをし、『機動警察パトレイバー the Movie』『MAROKO 麿子』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』など、独特なこだわりのある作品を作り出しています。無類の犬好きでバセットハウンドなど作品に登場させているときもあります。

・小川紗良は、雑誌「HR」の専属モデルとなり、芸能活動をはじめ、女優や映画監督として活躍しています。2016年『イノセント15』で映画初主演をし、大きな話題となっています。映画監督としても、2016年「あさつゆ」をはじめコンスタントに作品を作り上げています。早稲田大学で教鞭をとる是枝裕和監督の門下生でもあり、2020年「海辺の金魚」で長編映画初監督をしています。

・本作は、本広克行、押井守、小中和哉、上田慎一郎による実写映画レーベル「Cinema Lab(シネマラボ)」の第1弾作品です。

・押井監督が「夢みる人」という原案を描き下ろしており、そこから本作が作り出されています。

・本作は、「次世代の若者のクリエイターたちが撮りたいものを撮れる場を作れないか」ということを根ざして立ち上げたプロジェクト「Cinema Lab(シネマラボ)」の第1弾作品です。

・物語は、映画を撮ったことのない先勝美術大学映画研究会の部員たちが挑む、映研に伝わる「いわくつきの台本」の映画化をしようとする学生たちの物語です。

・冒頭から「大林宣彦監督へ捧ぐ」と表示されますが、なんとなくモヤモヤします。

・学園祭の準備風景から物語が始まり、「映画研究会」を舞台に、物語が展開していきます。

・本広克行監督としては、過去に「サマータイムマシン・ブルース」「幕が上がる」などの学生青春モノの作品を制作しており、本作でも、そのテイストを持つ『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を元に制作しています。原案自体は、アニメ版の監督だった押井守監督が用意しています。

・「英研だけど考えたことなかった」

・本作は、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を元に考えられているので、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を観ていない場合は、先にアニメ版の作品を観てから本作を観ることをオススメします。

・映画の構造としては、概念的なところにもなっており、アニメ版をそのまま実写にした作品とは異なります。

・映画を制作することとずっと終わらない学園祭の前日準備という要素を描いた作品ながら、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』をさらにメタ的に捉えた作品とも言えます。

・『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の劇中セリフやシーンも使用されており、アニメ版の作品の構造をさらに違った切り口でみせた作品ではあります。

・非常にファンの多かった作品の実写版となり、スタッフ自身も当時関係していた人も多いので、骨格自体は悪くはないのですが、アニメだからこそできた作品と実写で作り上げたのはちょっと無理があったかなぁとは思います。

・アニメ版を再度見直したくなる作品ではあります。

 

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