ロクカジョウ [映画や商品を紹介]

様々な作品・商品をカジョウ書き(箇条書き)にて紹介します。

【日本映画】「サマーフィルムにのって〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】松本壮史
【出演】伊藤万理華/金子大地/河合優実/祷キララ/小日向星一/池田永吉/篠田諒/甲田まひる/ゆうたろう/篠原悠伸/板橋駿谷/
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】主人公 ハダシは、勝新太郎を愛する高校3年生。映画部では、時代劇よりも恋愛モノを作り、時代劇を作っていなかった。ある日、凛太郎と出会い、武士役にピッタリということで、文化祭でゲリラ上映をする作品を撮り始める。

 

 

サマーフィルムにのって

サマーフィルムにのって

  • 松本壮史
  • 日本映画
  • ¥2037

 

 

・松本壮史監督は、CMやドラマなどの制作に携わり、2021年「サマーフィルムにのって」で映画監督デビューをしています。

・伊藤万理華は、2011年より乃木坂46の一期生メンバーとして活躍し、2017年に卒業後は、俳優として映画やテレビ、舞台で活躍をしています。2013年「劇場版BAD BOYS 」で映画初出演をし、2015年「アイズ」で初主演を務めています。独特な雰囲気のある女優です。

・主題歌は、Cody・Lee(李)「異星人と熱帯夜」 で、ちょっといい感じな曲です。

・キャッチコピーは「私たちの青春は、傑作だ。」となっています。

・物語は、時代劇ファンの主人公が映画部に所属するも、恋愛モノばかり撮影していることで、不満を感じる中、とある男性と出会い、武士役に抜擢するも、その男性にはとある秘密があったというストーリーです。

・序盤より、映画部の制作するラブストーリー「大好きってしかいえねーじゃん」という映画のパイロットフィルムから始まり、本作の主人公のハダシの趣向とは異なるのがわかります。

・ハダシの作家性は時代劇でちょっと信念が異なることが、本作のはじめから理解しておくポイントになります。

・くぅぅうというときの白目感は良いです。

・「雷蔵は美しすぎるんだよね」

・なんとなく「映像研には手を出すな」的感じを受けますが、そういう視点でも別に間違っていないです。

・「ハダシ」「ビート板」「ブルーハワイ」「ダディボーイ」とあだ名が出てきますが、こういうところも良いです。

・映画製作費を賄うために、バイトをしたりするところは、本作の目的達成の横道ともなりますが、こういう学生ならではのところはなかなか良い感じです。

・「この夏の間だけ、みんなの青春ちょうだい。」

・「え、このシーンドローン使って撮る必要ある?」

・2つの映画製作チームの温度差がなにげにコメディ感となりますが、こういうゆるいところから、映画製作の作家性の違いは、サクッと受け入れておけば良いです。

・「ネフリとか知らないの?」

・「武士の青春」ということに打ち込むハダシの熱意は、ちょっとここまで観ていくと、とても感化されそうになります。

・中盤から、凛太郎がなぜこの世界にいるのかがわかります。

・「世界終息していないからパラドックスは起こってない」

・SF要素があるように見えますが、別にそういう考察は必要なくて、「サマータイムマシーンブルース」のようなゆるいSF考察で良いのです。

・「2時間って俺、寝ちゃうんだよな。」

・本作とは関連のないところですが、一般的に映画の上映時間自体が約2時間あり、その作品を鑑賞する時間を節約する視点から「ファスト映画」なるものが一部存在しますが、やはりこの手法では、作品の意図も理解できず、むしろ作品の存在意義が否定されているとは思います。

・コンテンツ過多なのは非常によくわかりますが、必要なカルチャーは未来に残されるわけであり、名作も残り、現代の今のこの時点からも、名作や傑作は残るわけです。

・でも、その判断基準とは何なのか?と考えると、鑑賞経験から生まれるところもあり、読解力や観察力を培うことに、「時短」という方式は、なんの意味も持たないところはあります。

・文化的作品の存在の意義は、自身が体験したことで感じたことが、自身の感性にもつながるわけで、時短で体験したことで作品数を増やしても、考える時間も演出意図も汲み取れないようでは、なんの経験にもならないとおもいます。その文化を作り上げているのは、クリエイターでもありますが、受け手にも文化を作る権利はあるということを、鑑賞側にも持ってもらいたく、作者に対する礼儀は守って欲しいとは思います。

・コント的なところとしては、映画部のほかのチームの作品の作風が間逆なところでもあり、この点では、実は真逆なところに妙な布石があります。

・「わたしたち、あんたらには負けない」

・徐々にこういう盛り上がりのあるような要素が埋め込まれていきますが、学生だからこそ体験するそういう経験は、あとにも先にもこの年代しか生まれてこないところはあります。

・「さようならって言わない」

・ハダシの監督としての映画製作の打ち込む気持ちは、本作を通じてとても魅力的に感じます。

・麟太郎と過ごす文化祭には、これもまたグッとします。

・「一目惚れだったからね。いや、猪太郎としてね」

・ハダシと麟太郎の心の通わせ方も、このタイミングで起こるから良いのであって、映画の上映の前の気持ちの整理はここで十分ついているように思います。

・「なんか、やっぱり、このラストシーン違うなって。」

・「わたし、とんでもないヤツなんです」

・ここからスタッフ全員動くところはちょっと泣けます。

・あとは観て感じてほしいところはあります。「ファスト映画」では得られない鑑賞時の感情が得られると思います。

・こういう映画の舞台裏とその気持の動き、そして、青春というところはやはり青臭いけど、気持ちの良いものです。

・「きっと、未来へつなげてくれる」

・97分の作品ですが、97分で得られる観た人の感情と制作してくれた感謝はしっかりと受け取ってほしい作品です。

 

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【日本映画】「レイディオ〔2020〕」を観ての感想・レビュー



【監督】塩野峻平
【出演】加藤隼也/松岡美優/石井佑治/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 加藤は、深夜ラジオを聴くのが趣味の大学生。学部のゼミで同じラジオを聴いている女性松岡と出会い、彼女は自分とは異なる道を歩んでいることを知る。

 

 

レイディオ

レイディオ

  • 加藤隼也
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・塩野峻平監督は、学生時代より映画製作を始め、自主制作映画の監督と脚本を務めています。2020年「レイディオ」で門真国際映画祭2020 優秀作品賞・審査員特別賞を始め、注目され、今後に期待できる監督です。

・物語は、芸人の深夜ラジオを聴くことが趣味の主人公が、とあることで同じ学生の女性と知り合い、彼女は、その生き方が、自分とは異なる道を歩んでいることを知るストーリーです。

・序盤は、ラジオを聴きながら学生生活を送っている主人公が描かれます。

・陰キャ気質があり、日常的にラジオを聴いているような演出がされています。

・行動をしながらも、音声がラジオのトークと言うところでヒトクセある演出となっています。

・ラジオのパーソナリティと主人公の関係性が生まれない関係が描かれているところもあり、主人公のちょっと内向的感を感じます。

・そこから、同じゼミでラジオ好きで話題が生まれ、そこから松岡との関係が生まれてきますが、主人公が内気なので、どうも噛み合わない感が出てきます。

・中盤で松岡がゼミを休んでしまったことで、ちょっとだけ物語の方向性が見えてきます。

・とはいえ、悲観的な感じはなく、ラジオを通じたコミュニケーションがあり、2人がそれぞれの生活の中でラジオを聴いていることが、この2人がラジオをどのような位置においていることが重要になります。

・THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」が作品のキーとなる曲として使われており、ストーリーの展開とはちょっと異なる激しさがありますが、名曲なだけあり、心にぐっときます。

・ちなみに「リンダリンダ」は、THE BLUE HEARTSのメジャーデビュー曲であり、甲本ヒロトが「これはやべえだろ」というような曲を目指して作った曲です。

・学生が制作した作品ではありますが、下手にこなれている感があるわけではなく、荒削りで素人ぽさが逆にリアルを感じるわけで、45分という短時間の作品ですが、心に残るメッセージの込められた良作です。

 

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レイディオ

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  • 加藤隼也
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壊れかけのRadio

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【日本映画】「しあわせのマスカット〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】吉田秋生
【出演】福本莉子/竹中直人/中河内雅貴/本仮屋ユイカ/ヨシダ朝/宝積有香/土居裕子/大久保聡美/森日菜美/村瀬美穂/長谷川初範/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公 相馬春奈は、入院中の祖母のお見舞いに「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を使った和菓子「陸乃宝珠」を贈り、そのことでその「陸乃宝珠」を作っている岡山の老舗和菓子メーカーする。何をしても空回りな彼女の配属は、ぶどう農家への協力をする商品部だった。

 

 

 

 

・吉田秋生監督は、TBSのドラマ演出家で、1980年頃から、テレビドラマの制作をしています。「家族ゲーム」「パパはニュースキャスター」「はいすくーる落書 」「予備校ブギ」「ヤンキー君とメガネちゃん」などなど多くの作品を手掛けています。2016年「インターン!」で映画監督デビューをしています。

・福本莉子は、2016年第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞しており、芸能界に入をしています。2018年『のみとり侍』で映画デビューをしており、2020年『思い、思われ、ふり、ふられ』で主演を努めています。今後の活躍が期待できる女優です。

・本作は、岡山に本社を持つ「宗家 源吉兆庵」が協力しています。

・物語は、祖母のお見舞いに送った「陸乃宝珠」を作っているメーカーに就職をし、そこで、ぶどう農家と和菓子づくりに奮闘していくストーリーです。

・作品に出てくるマスカット オブ アレキサンドリアをまるごと一粒使用した夏の代表菓子「陸乃宝珠」は、5月上旬から販売される期間限定の商品です。ちょっと食べてみたい気持ちになります。

 

 

 

・主人公の相馬春奈の視点で物語は描かれていきますが、感情移入の対象としてはちょっと想定する行動とは異なるところもあり、むしろ、彼女の頑張りを応援するようなそんな展開です。

・「宗家 源吉兆庵」に就職し、各部署を転々としながらもなかなかうまく行かないところは、なんとなく、絵本「ぐるんぱのようちえん」を思わせるところがあります。

・「アレキは手間がかかって売れねえんだ」

・アレキとは、マスカット・オブ・アレキサンドリアというマスカットの品種ですが、シャインマスカットのほうが人気があるのはわかります。

・「農家には農家のこだわりがあるんだ」

・「そういうのわかんねえ人間に、美味しいお菓子作れねぇんじゃないか?」

・「宗家 源吉兆庵」の経営理念のような要素も感じるわけですが、映画としての要素と、企業広告的な要素が組み合わさっているのはよくわかります。

・終盤は、非常に展開がベタになってきますが、これでいいんです。これでいいんです。

・「死んだもんは二度と生き返らんのんじゃ。」

・竹中直人が普通に、ド直球な焼くを演じており、とてもわかりやすいです。

・「人を幸せにする菓子つくるんじゃなかったんか?」

・なお、エンディングには多少一捻りもありますが、これも想定内な演出ではあります。

・企業宣伝的な雰囲気もある作品ではありますが、「陸乃宝珠」をどのように生産しているかなど、意外な一面もわかるので、よいのではないでしょうか?

 

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【日本映画】「真夜中乙女戦争〔2022〕」を観ての感想・レビュー



【監督】二宮健
【出演】永瀬廉/池田エライザ/柄本佑/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公の私は、状況して一人暮らしをしている大学生。友人も恋人もいないままの日々を過ごす中、「かくれんぼ同好会」で出会った先輩に魅力を感じ、惹かれていく。

 

 

 

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【日本映画】「ある夜、彼女は夜明けを想う〔2020〕」を観ての感想・レビュー



【監督】松本花奈
【出演】黒島結菜/若葉竜也/北村匠海/小野花梨/
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】2020年「明け方の若者たち」のスピンオフ作品。僕と彼女の恋愛模様を、彼女の視点で描いた作品。「明け方の若者たち」とのミッシングリンクがつながるような内容。

 

 

 

 

・松本花奈監督は、高校在学時に制作した2014年「真夏の夢」で評価され、2016年『脱脱脱脱17』でも評価されています。その後、テレビドラマや映画を制作し、着実にキャリアを積んでいる監督です。

・黒島結菜は、2011年コンテストで特別賞を受賞し、芸能界入をしています。2013年、沖縄復帰40周年記念作品『ひまわり〜沖縄は忘れない あの日の空を〜』で映画に初出演し、2014年『アオイホノオ』でテレビドラマにも出演しています。2015年『花燃ゆ』で大河ドラマにも出演をし、さらに、2019年『いだてん〜東京オリムピック噺〜』、2022年NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』にも出演をしています。CMやTVドラマ等多数出演している女優です。

・若葉竜也は、2005年「HINOKIO」で映画デビューをし、テレビや映画で活躍をしています。今泉力哉監督作品などに多く出演をしており、2020年は「ワンダーウォール 劇場版」「生きちゃった」「朝が来る」「罪の声」「AWAKE」と多くの映画作品に出演し、今後が期待の俳優です。

・物語は、彼女と僕が出会い、そして別れが訪れることまでを描いたストーリーです。ただし、本作は、2020年「明け方の若者たち」のスピンオフ作品となっているので、「明け方の若者たち」をみてから本作を観たほうがよいです。

・というか、ネタバレにつながってしまうので、「明け方の若者たち」を観てから本作を見るほうが良いです。

 

 

 

 

・序盤から、彼女が男性にプレゼントを送るところから始まり、そこからプロポースされます。

・この2人の関係から、彼女の気持ち視点で描かれていきます。

・時間軸は、2012年に変わり、ここで、大学での生活が描かれます。

・使っているiPodが時代を感じます。これは、iPad nano(第1世代)ですね。

・「ちがわないです。彼女がいいです。」

・妹よりも選んで欲しい関係があり、これはまた、「明け方の若者たち」の僕との関係とはまた異なるところはあります。

・大学生で結婚して就職と多くの進路が決まっていく時期ですが、大学卒業から数年で、今後の将来のある程度の筋道が見えてくるような気もし、これは一般論的なところにも思います。

・空港のエスカレーターを降りるところでとある行動をしますが、その行動はちょっとうかつかなぁと思いつつも、常日頃からそういうことだったのかもしれません。

・本作の中盤から、「明け方の若者たち」のシナリオと合流してくるところがあり、「明け方の若者たち」の彼女からの視点での気持ちの揺れ動きがわかります。

・終盤で女性2人で歩く道は、「明け方の若者たち」でのデジャブ感があります。

・そして、友達の彼氏は多分あのひとだなぁというのは、仕組まれた脚本です。

・マジックアワーというセリフが良いキーワードです。

・なお、個人的に、サントリー角ハイボールは好きですが、缶のままではあまり飲みたくないです。

・ここにも「明け方の若者たち」とのミッシングリンクがあり、結果的に時間が異なるだけで、同じ場所にいたということがよくわかります。

・帰りの自動車では、高円寺から高速に乗って移動しているので、自宅は八王子あたりなのかなぁとも思います。

・僕と夫をどのように考えるかとも思いますが、実は、彼女自体が「もうちょっとなんとかならなかったのか?」と感じてしまうところがあり、どうもモヤモヤしますが、客観的にみて、恋愛とは、誰にも正義があり、不正義なところがあるのかなぁと思います。

・それをどのような視点で観るかによって、美化されるような気もします。

・45分で短くまとめられていますが、どちらの視点でどう見えていたのかというところを考えると面白い構成の作品かと思います。

 

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【日本映画】「明け方の若者たち〔2021〕」を観ての感想・レビュー

 

【監督】松本花奈
【出演】北村匠海/黒島結菜/井上祐貴/楽駆/菅原健/高橋春織/佐津川愛美/山中崇/高橋ひとみ/濱田マリ/
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】主人公の僕は、大学の飲み会に参加し、そこで彼女と出会う。年上の彼女と付き合う事となるが、社会人となり時がたつに連れて、関係が変わってくる。

 

 

 

 

・松本花奈監督は、高校在学時に制作した2014年「真夏の夢」で評価され、2016年『脱脱脱脱17』でも評価されています。その後、テレビドラマや映画を制作し、着実にキャリアを積んでいる監督です。

・北村匠海は、もともと、ダンスロックバンドDISH//で活動をしており、2017年『君の膵臓をたべたい』で注目され、2020年『とんかつDJアゲ太郎』では、映画初単独主演をしています。非常に多くの作品で主演を演じており、役者としての活動も増やしてきています。

・黒島結菜は、2011年コンテストで特別賞を受賞し、芸能界入をしています。2013年、沖縄復帰40周年記念作品『ひまわり〜沖縄は忘れない あの日の空を〜』で映画に初出演し、2014年『アオイホノオ』でテレビドラマにも出演しています。2015年『花燃ゆ』で大河ドラマにも出演をし、さらに、2019年『いだてん〜東京オリムピック噺〜』、2022年NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』にも出演をしています。CMやTVドラマ等多数出演している女優です。

・主題歌は、マカロニえんぴつ「ハッピーエンドへの期待は」です。

・物語は、主人公が大学の飲み会でとある女性に出会い、そこから恋愛に発展していき、数年後、その2人の関係が徐々に変わってくるストーリーです。

・序盤は、主人公の大学生活が描かれ、明大前近くの沖縄料理店で飲み会に参加します。

・このあたりは学生あるあるですが、そこで出てくる彼女ととあるきっかけで関わりが出てきますが、この手は、ちょっとズルいです。ただし、今はApple Watchとかもあるので、なかなかできないところもありますが。

・彼女の財布が一瞬映りますが、彼女のキャラクターが表されている財布でもあるかと思います。

・「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」

・この誘いかたも、彼女のキャラクターが表されており、ずるい感じもしますが、黒島結菜のなんとなく不思議な魅力からずるく見えないところもあります。

・特長的なこの公園は、杉並区立玉川上水公園です。

・北村匠海と黒島結菜のどちらも素朴さがあるので、大学生の恋愛模様を描くのには感情移入しやすいところはあります。

・下北沢でデートで演劇というのや、ヴィレッジヴァンガードで待ち合わせというのも、餃子の王将でちょっと手を触れ合うというのも、夜道で徐々に手をつなぎ合うのも、胸キュンとは違う恋愛模様なところはあります。

・「あのね、もうちょっと押してくれたらいいかも。」

・僕自体は、どうも恋愛ベタなところはあり、なにもかも初めてだったようなそんな雰囲気もあります。

・手を繋ぐということがうまく描かれています。

・デートシーンとかを見ていると、黒島結菜自体の魅力はきっちりと描かれており、心奪われていくのはわかります。でも、ルックス的に特別ななにかがあるわけではないので、不思議な魅力ではあります。

・社会人になってからの僕も中盤頃から描かれていき、恋愛だけにとどまらない要素も入ってきます。

・希望の部署ではなく、総務部という所属だったり、印鑑の押し方だったりと、社会の仕組みに揉まれていくところもえがかれます。

・一人暮らしも始め、彼女との関係も良好そうに見えますが、実際同棲しているのかどうかが克明に描かれていないところに布石はあります。

・ガウンを着たままやタンクトップまでという黒島結菜のガードはなかなか固いですが、きっちりとラブシーンもあり、+15の指定になっています。

・中盤過ぎにとあることがわかりますが、時間軸が前後します。そのことで、本作の視点がかなり変わります。

・2021年「花束みたいな恋をした」と比較すると、ちょっと異なる展開でもあり、この部分があるからこそ、本作の違った魅力があります。

 

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・その後、他のストーリーというか、僕の将来についての思い悩みを通じた展開となり、この後半の展開は、2020年「ある夜、彼女は夜明けを想う」のスピンオフにもつながっています。

・サクッとまとまった内容であり、北村匠海と黒島結菜の魅力に満ちた作品ではありますが、主人公 僕視点が強いために、どこか美化してしまう印象もあります。

・なお、スピンオフ作品は、本作を観たあとに観るべき作品ではありますが、必見というわけではありません。

 

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【日本映画】「キネマの神様〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】山田洋次
【出演】沢田研二/菅田将暉/永野芽郁/野田洋次郎/リリー・フランキー/前田旺志郎/志尊淳/北川景子/寺島しのぶ/小林稔侍/宮本信子/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 円山郷直はゴウと呼ばれ、映画監督を目指す青年。ある日とある事件があり、映画を諦め、田舎に引きこもってしまう。それから時が経ち、ある日ゴウの書いた脚本が見つかる。酒とギャンブルにおぼれていたゴウが再び映画に関わる仕事を始める・・・。

 

 

キネマの神様

キネマの神様

  • 山田洋次
  • ドラマ
  • ¥2037

 

 

・山田洋次監督は、助監督経験を経て、1961年『二階の他人』で映画デビューをしています。1968年テレビドラマでの「男はつらいよ」を制作し、ヒットしたことで、映画で『男はつらいよ』シリーズを開始します。同シリーズは、ひとりの俳優が演じた最も長い映画シリーズとしてギネス記録が認定されています。その他に「幸福の黄色いハンカチ 」「学校」「武士の一分 」「東京家族 」「小さいおうち 」「家族はつらいよ 」と精力的な活動をしており、90歳という高齢でも映画製作を続けている巨匠です。

・沢田研二は、17歳のときに声をかけられてローディー兼ボーカリストとなり、「ファニーズ」に参加しています。その後、「ザ・タイガース」と名付けられています。1971年に「ザ・タイガース」は解散となり、PYGに参加しています。また、同年ソロ活動を開始し、「勝手にしやがれ」「サムライ」「ダーリング」「カサブランカ・ダンディ」「TOKIO」「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」など多くのヒット曲があります。俳優業としては、1967年「ドリフターズですよ!前進前進また前進」で映画デビューをし、1975年「炎の肖像」で単独主演をしています。1979年「太陽を盗んだ男」では非常に高い評価をされ、以降「水のないプール」「カポネ大いに泣く」「夢二」など、様々な作品に出演しています。

・菅田将暉は、モデルのオーディションで選ばれた後、2009年「仮面ライダーW」で、初出演初主演をしています。その後は多くの話題作に出演しています。

・永野芽郁は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインを演じており、今後の活躍に期待できます。なお、好きなお笑い芸人は「なかやまきんに君」だそうです。

・物語は、過去に映画監督として活動していた主人公が、とある事件をきっかけに挫折し、田舎に引きこもってしまうが、とある脚本が見つかったことで、再度、映画に興味を抱いていくストーリーです。

・本作は、主人公 ゴウの視点で描かれた作品ですが、過去と現在の2つの時間軸があり、それぞれの若い頃と現在の同一人物が誰なのか理解しておく必要はあります。

・登場人物はそこそこにいますが、見たままのキャラクターが多いので、難解さはありません。

・もともと、老人のゴウ役は志村けんが演じる予定でしたが、2020年に急逝してしまったため、沢田研二が代役を務めています。

・中盤は、若い頃のゴウのストーリーとなり、若いときのゴウを菅田将暉が演じています。

・絶妙なキャラクター性というところで、菅田将暉の存在感がとても良いです。

・想定どおりの展開となりますが、どストレートな恋愛模様というのもわかりやすいです。

・中盤以降、再び老人のゴウが描かれますが、ここから、前向きな展開と変わっていきます。

・終盤の写真には、ちょっとグッと来るところがあります。

・山田洋次監督作品だけあり、非常にわかりやすい作品であり、そして理解もしやすい構成でもあり、観ていてなんの不安もないところがやはり良いところです。

・奇をてらうことなく、しっかりとした展開は、まさしく娯楽映画ではあります。

 

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キネマの神様

 

 

 

 

 

 

 

キネマの天地