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【日本映画】「花束みたいな恋をした〔2020〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】土井裕泰
【出演】菅田将暉/有村架純/清原果耶/細田佳央太/オダギリジョー/戸田恵子/岩松了/
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】主人公は、山音麦と八谷絹の2人。ともに大学生であり、偶然出会ったことで、意気投合をして付き合い始めます。それから、2人の生活が変わっていき、気持ちも価値観も変わっていきます。

 

 

 

 

・土井裕泰監督は、高校時代から8ミリ映画を作成しており、大学卒業後、TBSに勤務し、テレビドラマを手掛けています。『愛していると言ってくれ』『ビューティフルライフ』『GOOD LUCK!!』『逃げるは恥だが役に立つ』などを手掛けており、近年では映画制作も行っています。

・菅田将暉は、モデルのオーディションで選ばれた後、2009年「仮面ライダーW」で、初出演初主演をしています。その後は多くの話題作に出演しています。

・有村架純は、2010年に『ハガネの女』でドラマ初出演をし、その後、連続テレビ小説 『あまちゃん』で小泉今日子演じる主人公の母親の若かりし頃を演じて人気となり、好感度の高い役者です。

・物語は、偶然な出会いをした男女の5年間の恋愛を描いた物語です。

・押井守がシレッと登場していて、その人がなんの説明もなく解るのかわからないのかで、本作を楽しめるのかが多少変わってきます。

・「はい、世界水準です」

・「替え玉無料です。」

・最近の坂元裕二の脚本は、「あるあるネタ」をブッ込みながら、サブカルアプローチをしている脚本が多く見られます。

・この話自体そういう要素の多くで成立しており、社会問題やカルチャー、を絡めながら、物語を描いていきます。

・「カラオケやさんに見えるカラオケ屋に行きたいです。」

・「電車に揺られていたら」

・麦の本棚を見るシーンがありますが、本棚を見るとだいたいその人がわかるというのはあるあるで、「鉄コン筋クリートの大判」がある時点で、なんとなく察します。

・「まだ昨日の夜の余韻の中にいたいんだよ」

・「わたし、山音さんの絵好きですって言われた」

・「ポイントカードだったら、もうとっくに溜まってて」

・なお、個人的には、ガスタンクは好きです。毎回爆発するとどうなるかを想像してしまいます。

・独白の多い作品ですが、麦と絹のそれぞれの視点からつぶやかれるので、とてもわかりやすいところはあります。

・「はじまりは、おわりのはじまり」

・むしろ、わかりやすい作品ではありますが、セリフと独白ですべてを表現している作品だからこそ、ほぼ小説と思ってよいです。

・むしろ、映像がなくてもよいのではないか?と思ってしまいます。

・「炭焼きさわやか」が登場していますが、このお店は、静岡県にあるハンバーグレストランで、かなり美味しいと話題ではあります。

・そんな話題の要素も取り入れており、どこかしらに、カルチャーや話題性というキーワードがあります。でも、これは本作の表層だけの問題であり、本質はちょっと違うところにあるように思います。

・「絶対別れないっていう保証がないとおそろいのタトゥは彫れないよね」

・「圧迫面接」「仕事環境」など社会問題も要所要所ブッ込んでくるくるところも、坂元裕二脚本っぽいです。というか、この手法です。

・この2人の生活は些細な2人の世界で進んでおり、ある程度このようなことに思い当たるような人はいるのかと思います。

・「俺も次行かないとおもってさ」

・「花の名前を教えると、その花を見る度その人のことを思い出す」

・現状維持のために生活を続けていきますが、当然、維持するために苦労も必要で、そのために徐々に変わってくる意識の違いも「あるある」なのではあります。

・焼きそばパンの美味しい店が閉店してしまうことも、時の流れであり、「現状維持」と「時の流れ」の相反することには、当然、ズレが出てくるわけではあります。

・序盤の説明を会話や独白で描いてきた流れも、中盤以降から、手法が変わってきます。

・このあたりは、監督の手腕なのかもしれません。

・「若いときの恋愛と結婚は違うしね」

・モラトリアムで生きていくのか、変わりゆく状況にうまく乗りこなして生きていくのかで、なにか分岐点があるような気がします。

・これは、年代によって受け止め方が変わってくるようにも思います。

・この2人の感情に敵う感情の押し寄せが得られなかったのですが、本作の伝えたいメッセージは、とてもわかりやすく、その上で、表層の面白さとは異なる要素が込められています。

・序盤で理解できない単語が羅列されたとしても、本作のポイントではないので、我慢して見続けるほうが良いです。

・物語として小ネタの要素と、本作の伝えたいことは、近しいようで、そうではないところでもあり、とはいえ、悲観的になる物語でもなく、何かしらモヤモヤする感じを残しながらも、ちょっと淀んだすっきり感のある作品です。

・こればっかりは観てもらわないとわからないとは思います。

・背中向きで手をふるシーンが、それを象徴しているのかもしれません。

・なお、トイレットペーパーを遠くの駅でまとめ買いしているところにはちょっとモヤモヤしますが、実家の飛田給にはあまり店がないということらしいです。(ホントかなぁ)

・菅田将暉と有村架純というキャストなので、観続けられるとも言えますが、予告編と題名からはちょっと印象の異なる印象を持つ作品ではあります。

 

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