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【日本映画】「BLUE ブルー〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】𠮷田恵輔
【出演】松山ケンイチ/木村文乃/柄本時生/守谷周徒/吉永アユリ/東出昌大/
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】主人公 瓜田は、ボクシングに情熱を燃やしているボクサーながらも、試合に勝てないボクサーだった。後輩の小川は才能を発揮し、チャンピオンになろうとしていた。瓜田の初恋の相手 千佳は、小川の婚約者ともなり、苦悩する日々が続く。そこにボクサー見習いとして楢崎という男が入ってくる。

 

 

BLUE/ブルー

BLUE/ブルー

  • 𠮷田恵輔
  • ドラマ
  • ¥2037

 

 

・𠮷田恵輔監督は、学生時代から自主映画を制作し、2006年『なま夏』で映画監督デビューをしています。2008年に小説『純喫茶磯辺』を発表し、映画化も行っています。「ヒメアノ~ル」「犬猿」「純喫茶磯辺」を制作しており、独特の世界観と演出に定評があります。

・松山ケンイチは、2001年にオーディションに合格しモデルデビューをしています。その後、2002年『ごくせん(第1シリーズ)』でテレビドラマデビューをし、2003年『アカルイミライ』で映画初出演をしています。役作りにこだわりのある俳優です。

・柄本時生は、父に柄本明、兄に柄本佑を持ち、2003年Jam Films S『すべり台』で俳優デビューをしています。その後、2008年『俺たちに明日はないッス』で映画初主演をしています。兄とともに演劇ユニット『ET×2』を結成もしています。2010年「Q10」では、父親の柄本明と共演もしており、個性的な役柄を演じることが多い俳優です。

・物語は、試合に勝てないボクサーとチャンピオンにあと一歩の後輩と、なんとなく挑戦し始めた新人のボクサーの3人の関係を描きながら、それぞれの挑戦を描いたストーリーです。

・序盤から、楢崎の働く仕事場でのトラブルが描かれ、そこから自分自身を鍛えようと、ボクシングジムへ通うようになる楢崎の姿が描かれます。

・主人公は 瓜田となっていながらも、物語で感情移入を持っていきやすいのは、楢崎となっているところで、本作のちょっと違和感のような、興味をひかれるような、そんな印象が漂っています。

・ボクシング未経験の楢崎が、瓜田にボクシングを教わり、そこで瓜田の面倒見の良いところに共感を感じますが、瓜田自身も、自分自身のボクシングに対する感情のジレンマを感じます。

・ボクシングに愛情がありながらも、ボクサーとしての強さやセンスが足りない点で、ボクサーとして戦うことに対しての大きな壁を感じてしまいます。

・楢崎から見れば、凄腕のボクサーのように見えても、その先の世界ではまだまだ強いボクサーは多くいることで、瓜田の見えにくい苦悩を垣間見られます。

・「どかどかどかどかやってるでしょ?」

・徐々に瓜田と楢崎と小川の3者のボクシング観が見えてくることで、映画を観ている側も、ボクシングに打ち込んでいる三者三様のスタンスに感情移入する対象が変わってくると思います。

・「毎回負けている人に平気な顔してアドバイスされてもこまるんですけど」

・ボクシングは、1対1のスポーツであり、勝者と敗者はある程度明確に下されます。

・その明暗の分かれることで、敗者にもしっかりとスポットが当てられているところに、本作の興味深いところを感じます。

・「俺、勝っちゃってもいいですか」

・ある程度予想範囲内のストーリー展開となりますが、勝負ということに対して、「あきらめない」「挑んでいく」というところには、なにか熱いものを感じるところがあります。

・本作の題名がピンと来なかったのですが、これは、瓜田が試合のときにいるコーナーが青コーナーとなり、敗者の色というようなイメージもあるのではと思っています。

・何かを成し遂げるという点では、スッキリとしないところはありますが、各キャラクターの個性が明確になっていることで、観やすい作品でもあり、3人それぞれに思い入れが湧くように作られている点で、観る人の感情の置き場もそれぞれにまとまる感じがあり、観る人それぞれに何かしらのメッセージをしっかり残す良作かと思います。

 

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BLUE [DVD]

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