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【日本映画】「街の上で〔2019〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】今泉力哉
【出演】若葉竜也/穂志もえか/古川琴音/萩原みのり/中田青渚/村上由規乃/上のしおり/芹澤興人/タカハシシンノスケ/成田凌/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 荒川青は、古着屋で働いている下北沢で働いている青年。一人で行動することが多い青だったが、ある日、自主制作映画に出演する。

 

 

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・今泉力哉監督は、映画専門学校 ENBUゼミナールの職員として、山下敦弘のワークショップアシスタントなどを経験。その傍ら、自主制作映画を作っていましたが、2010年の「たまの映画」で長編デビューをし、『パンとバスと2度目のハツコイ』などさまざまな映画を手掛けています。

・若葉竜也は、2005年「HINOKIO」で映画デビューをし、テレビや映画で活躍をしています。今泉力哉監督作品などに多く出演をしており、2020年は「ワンダーウォール 劇場版」「生きちゃった」「朝が来る」「罪の声」「AWAKE」と多くの映画作品に出演し、今後が期待の俳優です。

・成田凌は、『MEN'S NON-NO』のモデルとして活躍以後、TVや映画でも出演するようになり、若手として着実なキャリアを積んでいます。

・物語は、下北沢の古着屋で働く青年が、自主制作映画に主演することで、周囲の環境がちょっとずつ変わっていくストーリーです。

・序盤から、映画の撮影風景が描かれ、そこから、主人公の地味な生活が描かれます。

・共感できるキャラクターとはちょっと違い、自己完結している視点に、感情移入しづらいところはあります。

・その状況から、映画の出演をすることになりますが、自主制作というところもあり、関係者の思いの違いが薄ら見えます。

・空回りしているように見えるところもあり、人間関係として主人公 青の行動は、人を寄せ付けにくい感じもします。

・でも、こういう人は一定数いるので、共感する人は多いのかとも思います。

・とはいえ、当人としてはなんとなく人付き合いをしていきたいというところもあるので、その空回り感が本作のポイントです。

・青自体の主張も、相手を論破しようとしている構えが、どうも納得できな異様な感じがあり、主人公ではありながらも、感情移入はできそうにないです。

・この空回り感が、前半はとことん描かれていくところがあり、この先入観のもたせ方が、中盤以降にピリリと効いてくるところはあります。

・全体的に長回しなところも多いのですが、特に中盤の城定イハとの会話がとてもグッと来るところがあり、この長回しもちょっとすごいです。

・さらに、この会話の妙なナチュラルなところが変な空気感もあり、この時点で、この作品の観るべきところが、このナチュラルな会話の繰り返しであるところに気がつくと思います。

・前半の青の感情移入のしずらさがあり、このシーンでも、なかなか食い気味の青に一歩引いて観てしまうところがありますが、キャラクターよりも、この普通な感じのトークにグイグイ引き込まれます。

・「いるよ、いらない知識なんてないからね、この世に。」

・「嫉妬するような関係性じゃないからね、まだ。」

・翌朝のシーンの「彼氏じゃん」「彼氏じゃない」「いや彼氏です」というような会話もとんでもなくドーデモいい感じもしますが、このドーデモいいような客観視をしてしまいがちなところがドーデモよくないところで、この雰囲気を楽しむ作品ではあります。

・「うっさい、雪さんとか軽々しく呼ぶなや」

・ちょい役として、成田凌がシレッと登場しますが、この役どころは、なかなか巧いです。役名は間宮武とはなりますが、もう、まんま成田凌でも良いです。

・「ええ、下手やったからですね」

・普通にみえるような町並みや室内ではありますが、空気感が絶妙な感じがあり、これはテレビドラマではなく、しっかりとした映画であるとも言えます。

・これはテレビドラマでは観たくはなく、映画であるからこそ意味があります。

・結果的に物語の本筋として重要な要素はあまり感じなく、この街と人の関わり合いというところが本作の魅力であり、観てもらって理解してもらうしかないとも思います。

・広くオススメしたい作品ではありますが、この地味な雰囲気の中にある会話の成り立ちをきっちり噛み締めてもらいたい作品ではあります。

 

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