【総監督】庵野秀明
【個人的評価】★★★★☆
・そんなグロテスクなゴジラ(蒲田くん)の後、鎌倉によく見慣れたゴジラが登場します。サイズ感がむちゃくちゃなところはありますが、カッコいい見せ方のみを考えた手法なので、全然問題なし。そもそもエヴァンゲリオンも全長の設定はなく、いかにカッコいい映像を作るかを優先すると、サイズ感の設定は度外視でも良いのです。むしろ気持ち良さで突き抜けています。
・鎌倉から北上し、首都圏を目指すのですが、その際に防衛線を真剣に考えた時に多摩川を防衛ラインとした戦略は、庵野秀明総監督の想定と自衛隊の想定が一致したことに、防衛省は驚きをみせたそうです。まさしく自衛隊の立てる戦略を踏襲していたそうです。
・武蔵小杉での防衛作戦には、かなりこだわりの映像となっており、ひたすら一点攻撃を行う展開は今までのゴジラ映画にはなかった戦闘シーンです。
・ここでもゴジラの屈強さが描かれ、防衛戦は突破されます。
・この描かれ方は賛否があると思われますが、個人的には大満足で、ゴジラの圧倒的な力を見せつける名場面です。
・こんなのに勝てっこないという印象が植え付けられるからこそ、この後の作戦には無謀かつギリギリの作戦として危機感を煽ります。
・この圧倒的な強さに対抗できる術が無いように見えるからこそ、最後の作戦に力が入るのです。
・その後のクレーンの登場にはちょっと笑いもありますが、手段を選ばないというのはこういうことなんだと思いました。
・結局ゴジラには勝てない訳ですが、それでも英知を絞った戦略には、拍手を贈りたい気持ちになります。
・多分、3.11の原発事故もメッセージには含まれていると思われ、制御できないことを人類は扱っているのだという意味が隠されているのかと思います。
・最後に物議のあったゴジラの尻尾ですが、この要素を残すところに、観ている観客に解釈を委ねる手法で、スッキリとはしないところが作品の魅力を引き立てているのだと思います。
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