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【日本映画】「アルプススタンドのはしの方〔2020〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】城定秀夫
【出演】小野莉奈/平井亜門/西本まりん/中村守里黒木ひかり/目次立樹/
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】夏の甲子園第一回戦に出場している母校の応援のために、安田と田宮はアルプススタンドに来ます。演劇部の二人は野球のルールすら知らないながらも、元野球部の藤野と会うことで多少ルールを教わる。成績優秀な宮下、吹奏楽部の久住などの人物と関わりながら、試合の行く末を見守る。

 

 

アルプススタンドのはしの方

アルプススタンドのはしの方

  • 城定秀夫
  • 日本映画
  • ¥2037

 

 

・城定秀夫監督は、ピンク映画やオリジナルビデオで助監督を務め、2003年『味見したい人妻たち』で映画監督デビューその後もピンク映画のみならず、多彩な作品を送り出している監督です。

・小野莉奈は、小学生の頃から女優に憧れ、オーディションに合格し、事務所に所属し、2017年『セシルのもくろみ』のスピンオフドラマ『セシルボーイズ』で女優デビューをしています。その後、2018年『アンナとアンリの影送り』で初主演をしています。

・浅草九劇での「アルプススタンドのはしの方」の舞台でも主演をしており、本作では、実写映画として出演しています。

・平井亜門は、2017年にsmartモデルオーディションでグランプリを受賞しています。映画初出演は、2017年「PとJK」で、その後、「36.8℃ サンジュウロクドハチブ」「左様なら」など、に出演しています。テレビドラマや舞台でも活躍しており、ミュージシャンとしても活動する多彩な俳優です。

・原作は、兵庫県東播磨高等学校演劇部の顧問教諭を務めた籔博晶による高校演劇の戯曲となります。

・物語は、母校の応援に来た生徒がアルプススタンドのはじで野球の応援をしながらも、そこで描かれる会話劇のような展開で進むストーリーです。

・野球のルールを知らない2人が描かれますが、それはそれで、野球が主題のようで、そうではない物語でもあります。

・グラウンド整理のために観客が一旦捌けますが、それも何故起こっているのかが、安田と田宮にはわからないところがあります。そこも、説明がされますが、そもそも、野球が主題の物語ではないところが印象付けられます。

・「お~いお茶」について、そこそこ触れられますが、提供がらみなのかどうかはわかりません。

・「人生は送りバントなんだよ」

・群像劇のように様々なキャラクターが登場し、それぞれの立場で物語が描かれます。そのため、安田と田宮が主人公になりますが、実際にはその周辺の人物も含めた世界観を描いた内容となります。

・特に、矢野については観てもらえればわかるキャラクターであり、この人物がいることで、群像劇の中心にいながらも、決して物語を進めるポジションにはいないことになります。

・「諦めた人」と「諦めない人」を描いているところもあり、スクールカーストを描いているようでもありますが、結局はどちらのスタンスに立つのかで、立場は変わるわけで、ここはかなりのポイントとなります。

・「頑張っているのに、周りで見ている人にしょうがないって言われたら、イヤだと思う。」

・応援の茶道部の先生が、序盤と中盤で声が大幅に変わっているのには、なかなか良い表現でもあります。

・野球のプレイシーンは、まったく出てこないことも本作の魅力であり、こういう演出だからこそ、本作の焦点がブレないような気がします。

・実際、試合のシーンが出ないのにうまく成立してるところは、応援のブラスバンドの存在があるからでもあると思います。

・このBGMでもありながら、応援するというところには、それぞれ表舞台で活躍している人とは違う裏舞台の人にも焦点が当てられているところでもあり、やはり、「諦めた人」と「諦めない人」の立場的な要素があるのかもしれません。

・そういうこともあり、試合の勝敗がどうなるわけでもなく、そのアルプススタンドで行われる会話劇の秀逸さが本作の魅力です。

・終盤、その時間軸が大きく変わるシーンが出てきますが、その変化の仕方がとても良かった気がします。

・75分という小品ではありますが、このコンパクトに纏まった内容ながらも、多くの物語とテーマが詰め込まれている点には演出力と物語の構成の秀逸さのある良作かと思います。

 

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