【監督】広瀬奈々子
【出演】柳楽優弥/YOUNG DAIS/鈴木常吉/堀内敬子/
【個人的評価】★★★☆☆
【あらすじ】主人公は「ヨシダシンイチ」と名乗る青年。ある日釣りにでかけた涌井哲郎が、川辺で倒れているのを見つけ保護する。哲郎は、その青年を木工所で働かせることにする。
・広瀬奈々子監督は、是枝裕和や西川美和の助監督を務め、本作で、長編初監督作品となります。
・「ヨシダシンイチ」を演じる柳楽優弥は、映画『誰も知らない』の主役に抜擢され、一躍有名となり、その後役者から一歩引いた活動をしていましたが、近年役者として復帰をし、子役から見事に転身できています。
・物語は、ある秘密を抱えて逃げ続ける青年と木工所を運営する独り身の男性の関係を描くストーリーです。
・主人公のシンイチには、隠された過去があるような演出で描かれ、哲郎もそれを汲み取ったように、同居させ、木工所で働かせはじめます。
・あとは坦々と物語が描かれることもあり、些細な感情の機微を読み取る内容となっています。
・隠された過去は、さほどインパクトの強い要素ではないのですが、真意を見え隠れさせる描き方にどこか物語を掴みきれないようなところがあります。
・もともと、映画制作は、是枝裕和と西川美和に師事されているので、情景や仕草から読み取る演出手法でもあり、しっかり観ていないと物語を見失うところもはらんでいます。
・そう言った意味では、この作品の起伏の薄いところは、しっかりと物語を読み切れていないというところでもあります。
・ちょっとしたことで理解を促す要素の強い映画でもあり、気を抜いて観られない作品ですが、しっかりと観ることで大体のストーリーは説明されている映画でもありますので、広くいろいろな人に観てもらうというよりも、読解力を張り巡らせて鑑賞する必要がある作品です。