ロクカジョウ [映画や商品を紹介]

様々な作品・商品をカジョウ書き(箇条書き)にて紹介します。

【洋画】「フォールアウト〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】ミーガン・パーク 
【出演】ジェナ・オルテガ/マディー・ジーグラー/ナイルズ・フィッチ/ウィル・ロップ/ジョン・オーティス/ジュリー・ボーウェン/シャイリーン・ウッドリー/ルミ・ポラック/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公 ベイダは、通っている高校で偶然に銃乱射事件に遭遇する。事件の際にトイレに書くっれていた事で難を逃れるも、その後、事件のトラウマを抱えてしまうことになる。

 

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・ミーガン・パーク監督は、6歳より演技のキャリアを始め、2004年「Some Things That Stay 」で映画デビューをしています。その後、テレビやミュージックビデオを制作しており、監督も兼任しています。2017年ビリー・アイリッシュ 「Watch」を監督しています。2017年「Lucy in My Eyes」で初監督をし、脚本も手掛けています。

・ジェナ・オルテガは、アメリカの女優で、子役としてキャリアを始め、2013年「Iron Man 3」で映画初出演をしています。その後、テレビや映画に出演をしています。NETFLIXの「The Babysitter:Killer Queen」と「Yes Day」では主演を努めています。

・物語は、高校での銃乱射事件に遭遇し、からくも生き延びた主人公は、そのことがきっかけで心の傷を負って生活をしながらも立ち直っていくストーリーです。

・序盤は、ベイダの普段の生活が描かれ、学校への登校からして自動車での移動なので、なかなかアメリカです。

・ただし、運転席の窓が開けっ放しで駐車する点は、かなりモヤモヤします。

・授業中にトイレに行くことになるのですが、女性特有の現象でベイだが呼ばれます。

・主人公が思春期の時期となるので、多感なところはあると思います。

・高校生の年齢なので、ひとにより見た目も大きく変わるところはあります。

・そこから、銃乱射事件が発生しますが、すごいのは、犯人の視点ではなく、主人公エイダの視点で描かれ、銃声だけがトイレの個室の外から聞こえるので、急に命が奪われていく状況が見えないところで、音だけ聴こえるところにはトラウマ感はあります。

・そんな多感な時期に遭遇した事件から、再び実生活に戻りますが、やはり冒頭の事件の問題でなんとなく事件の出来事が昨日のように記憶に残っているような印象で描かれていきます。

・トイレで身を隠してた、ベイダとミアとクイントンの3人のそれぞれが描かれていき、事件のことについて、カウンセリングを受けて、気持ちの整理をしていく展開となります。

・主人公視点で展開していくので、その時の恐怖から普段の生活に戻ることはできても、どこかに心の病を抱えてしまうのはなんとなくわかります。

・授業中に再びトイレに行こうとしても、事件に遭遇して隠れたトイレには入ることもできないところもあり、主人公に感情移入するような作りとなっているので、その行動理由は理解できるとは思います。

・ただし、さらに奇行をしてしまうところが中盤から徐々に起こり、ペンをかじってしまうところは、心の不安定さがわかるようではありますが、感情移入がしづらくなってしまいます。

・その状況もあり、中盤より、もうちょっと冷静に本作を観ていけるような気もします。

・カウンセリングとベイダの心の持ち直し描いていき、少しずつ前向きになってきますが、最後まで観てもらい、どういう感情を心に残したのか観てもらいたいところはあります。

・序盤で、印象の強いシーンがありながらも、実際にはその事件が映像化されていないところがまた革新的にも思われ、本作の主題は、事件ではなく、それ以外のところに宿していることが読み取れる作品です。

 

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【洋画】「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ〔2022〕」を観ての感想・レビュー



【監督】ヨハネス・ロバーツ
【出演】カヤ・スコデラリオ/ロビー・アメル/ハナ・ジョン=カーメン/アヴァン・ジョーギア/トム・ホッパー/リリー・ガオ/ニール・マクドノー/ドナル・ローグ/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 クレア・レッドフィールドは、巨大複合企業「アンブレラ社」の拠点があるラクーンシティで育った女性。とある警告メッセージを受け取ったクレアは、ラクーン市警の刑事の兄クリスを尋ねるが、特に大きな問題がなかった。しかし、ラクーンシティの住民にとある変化が起こっていた。

 

 

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(字幕/吹替)

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ(字幕/吹替)

  • Johannes Roberts
  • アクション/アドベンチャー
  • ¥2037

 

 

・ヨハネス・ロバーツ監督は、イギリスの監督で、2001年『Sanitarium』で長編映画デビューをしています。その後、2010年『F エフ』で低予算ながらも評判となり、2017年「海底47m」でも全編水中の作品ながら、低予算で評判となっています。なお、2019年『海底47m 古代マヤの死の迷宮』で続編を制作しており全米トップ10となる記録をしています。

・カヤ・スコデラリオは、2009年「月に囚われた男」で映画デビューをし、2014年「メイズ・ランナー」でハリウッドデビューをしたイギリスの女優です。

・物語は、主人公のもとに届いたメッセージより、ラクーンシティを訪れるが、そこで、巨大複合企業「アンブレラ社」の陰謀に巻き込まれていくストーリーです。

・序盤から、ちょっとしたサスペンス風の展開となっており、ホラーアクション映画のバイオハザードという印象は若干弱い感じがします。

・「かゆうま」についてはしっかり再現されていますが、なんとなく、そうじゃないんだよなぁという気はします。

・ラクーンシティに訪れてから徐々にバイオハザード的な展開となり、ゾンビの登場もしっかりと意識できるようになります。

・中盤であの初代バイオハザードの舞台となった洋館がでてきます。

・設定等もわかりやすいところとなるので、初代バイオハザードを一度プレイしておくと良いです。

・使っているハンドヘルドデバイスが、「PalmPilot」ではあります。稼働している時点でかなりすごいなぁとも思います。

・序盤の展開は、どちらかといえば、世界観を示す説明な要素もあり、登場人物の背景がわかることで、中盤以降のゲームの設定との関わりあいが明確になるので、これはこれで良いところです。

・ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のバイオハザードよりもゲームに忠実なところとなるので、ゾンビ自体のゾンビらしさはさほど常軌を逸していないところは良いです。

・ザッピングで複数の物語が同時進行で描かれますが、各キャラクターは区別もつきやすくわかりやすいとは思います。

・リッカーらしきゾンビも登場し、当然CGは使っているのですが、人型のゾンビ的なキャラクター程度で留まっていたゲーム同様に、いかにも強そうで気持ち悪いという方向性の造形ではないところもよいです。

・というか、バイオハザード3以降はゾンビというよりもクリーチャー的な要素が強くなってしまうので、本作は、そこまでの怪物感もないので、しっかりと映画のような感じで観られます。

・もともと映画的演出を目指したゲームの1作目が、映画化されるという原点回帰的なところもあり、刺激的なアクションや造形に頼ることなく作られているところには監督の良心を感じます。

・続編も作られそうな印象のある作品ですが、ゲームのバイオハザード自体が完結するようなことにはなっていないので、続編を制作するのもなかなか難儀なところはありますが、それでも、映画を目指したゲームの映画化というところに、なにか意義を感じるように思います。

 

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【洋画】「サヴェージ・ウーマン 美しき制裁〔2019〕」を観ての感想・レビュー



【監督】アブナー・パストール
【出演】サラ・ボルジャー/エドワード・ホッグ/アンドリュー・シンプソン/ジェーン・ブレナン/コーラン・バーン/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公 サラは夫をとある事件で亡くしてしまった未亡人。2人の子供ともに生活をしていますが、ある日麻薬密売人のチトーが突然に家に入り込んでくる。

 

 

サヴェージ・ウーマン 美しき制裁 (字幕/吹替)

サヴェージ・ウーマン 美しき制裁 (字幕/吹替)

  • アブナー・パストール
  • アクション/アドベンチャー
  • ¥2037

 

 

・アブナー・パストール監督は、南アフリカの映画監督で、1999年「Inheritance 」で映画監督デビューをしています。

・サラ・ボルジャーは、アイルランドの女優で、1999年「A Love Divided」で映画デビューをしています。テレビや映画で活躍しており、2013年「コクリコ坂から」で英語版の声優として、松崎海役を演じています。

・原題は「A Good Woman Is Hard to Find」となっており、いい女を見つけるのは難しいという意味となります。

・物語は、とある事件で夫を亡くしてしまった主人公が、2人の子供とともに生活をしているも、麻薬密売人に家に忍び込まれたことにより、徐々に生活が変わっていくストーリーになっています。

・序盤から、返り血を浴びた女性がシャワーを浴びるシーンから始まりますが、妙に意味深な演出からの展開となります。

・そこから、多分、同じ女性が2人の子供とスーパーで買い物をしているシーンとなり、そこで、子供が店のものを食べてしまい、会計をするが、生活レベル的に貧困な感じが受け取れる演出となっています。

・そこから突然、違う人物の物語となり、自動車泥棒ととある荷物の強奪が描かれます。

・20分くらいで、点と線が結びつくかのようにストーリーの概要が見えてきます。

・母親と2人の子供の慎ましい生活のなかに、麻薬密売人が出てくることで徐々に物語の骨格が見えてくる手法は、なかなか手が込んでいます。

・中盤過ぎで大体の筋がわかるようになる構成で、そこまで展開は物語の全容がわからないので、興味惹かれところがあります。

・とはいえ、やはり、この母親はなかなかな決断力と実行力があり、その行動原理の根底にあるものは、子供や夫のためでもあるというところになります。

・リアリティがあるかと言われれば、充分にリアリティでありますが、この現実感もなかなかツライところはあります。

・この実行力が終盤に生かされて来るわけですが、結局のところ「母親は強い」としか言いようがない気もします。

・97分の作品でもあり、サクッと観られる作品と思えそうですが、実は思った以上に演出が生々しいところがあり、広くおすすめするような作品ではなく、また、ジャケットの写真と本編の展開には一致しないところは多いです。

 

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【洋画】「アウト・オブ・デス〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】マイク・バーンズ
【出演】ジェイミー・キング/ブルース・ウィリス/ララ・ケント/ケリー・グレイソン/マイケル・シロウ/タイラー・J・オルソン/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公 ジャックは、フィラデルフィア市警を引退し、数週間前に亡くした妻の傷心のため、山荘に訪れる。そこで、出会ったシャノンは、汚職警官のトラブルに巻き込まれ追われた。

 

 

アウト・オブ・デス(字幕版)

アウト・オブ・デス(字幕版)

  • ジェイミー・キング
Amazon

 

 

・マイク・バーンズ監督は、アメリカの映画監督で、もともとは音楽プロデューサーとしても活動しています。2021年「アウト・オブ・デス」で長編映画監督デビューをしています。

・ブルース・ウィリスは、TVドラマ『こちらブルームーン探偵社』で話題となり本作に抜擢、一躍アクション俳優として注目され、アクションからコメディまで幅広い役どころを演じますが、一時低迷し、『パルプ・フィクション』の重要な役で再注目され、1998年の「アルマゲドン」で見事に返り咲きます。さらに「シックスセンス」では演技も評価されトップアクターとして地位を確固たるものとします。その後も「ダイハードシリーズ」や「エクスペンダブルズ」に出演し、話題性の高い俳優です。

・ジェイミー・キングは、2001年「ブロウ」で映画デビューをし、多くの映画に出演しています。また、モデルとしても活動をしています。

・物語は、とある山里で汚職警官の悪事を撮影してしまった女性が、そのために、悪徳警官とその黒幕に追われて行く中、元警官に助けられ、悪事に立ち向かっていくストーリーです。

・序盤より、とある山奥の場所に訪れるシーンから始まります。

・元々映画音楽監督というところもあり、音楽の使い方が独特です。

・悪徳警官の行動については序盤はちょっとわかりにくいところはありますが、思えば、意外性から作品を作っていうような演出となっています。

・ミスリードを誘うような演出ですが、すぐにネタバレはしてくれます。

・音楽がとりあえず、印象的なような感じもあり、無駄に曲が多いような気もします。

・中盤で、悪徳警官と黒幕の存在が描かれ、主人公側よりも悪役側の演出を多く観せられます。

・ただし、これも、ミスリードを促すえんしゅつ ではあり、小品ながら、展開自体に工夫をしています。

・ブルース・ウィリスが元警官という設定で出演しているので、わかりやすいところがあります。

・黒幕側の行動が中盤以降はフォーカスされることで、きっちりと終盤までの展開のテンションは維持されます。

・とはいえ、やはり演出上、「曲多すぎ」とは思います。

・96分の作品ながら、ブルース・ウィリスがそこそこ活躍はするところでもあるので、登場人物もシンプルでわかりやすく、サクッと観られます。

 

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アウト・オブ・デス(字幕版)

アウト・オブ・デス(字幕版)

  • ジェイミー・キング
Amazon

 

アウト・オブ・デス [DVD]

アウト・オブ・デス [DVD]

  • ジェイミー・キング
Amazon

 

 

【洋画】「DUNE/デューン 砂の惑星〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】ドゥニ・ヴィルヌーヴ
【出演】ティモシー・シャラメ/レベッカ・ファーガソン/オスカー・アイザック/ジョシュ・ブローリン/ステラン・スカルスガルド/デイヴ・バウティスタ/スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン/ゼンデイヤ/チャン・チェン/シャロン・ダンカン=ブルースター/シャーロット・ランプリング/ジェイソン・モモア/ハビエル・バルデム/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】西暦10190年の世界。1つの惑星を1つの大領家が収めている世界。アトレイデス家が統治する惑星アラキスは、通称「デューン」と呼ばれる砂の惑星であり、そこには抗老化作用を持つスパイスの取れる場所であった。そこに乗り込んできたレト家とアトレイデス家の戦いの物語。

 

 

DUNE/デューン 砂の惑星 (字幕/吹替)

DUNE/デューン 砂の惑星 (字幕/吹替)

  • Denis Villeneuve
  • SF/ファンタジー
  • ¥2546

 

 

・ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、カナダの映画監督で、1994年「REW-FFWD 」で映画監督デビューをしています。その後、様々な賞を受賞し、2010年『灼熱の魂』では、第83回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされています。2016年「メッセージ」でも、第83回アカデミー賞監督賞にノミネートされ、2017年「ブレードランナー 2049」では、、アカデミー撮影賞と視覚効果賞を受賞しています。

・ティモシー・シャラメは、幼少期よりCM等で活躍をし、2014年「ステイ・コネクテッド〜つながりたい僕らの世界」で映画デビューをしています。同年に「インターステラー」でも印象ある役を演じ、201年『君の名前で僕を呼んで』では、数々の映画賞で評価されています。端正な顔立ちで魅惑的な魅力のある俳優です。

・なお、2023年『Dune: Part Two』が公開されることが決定されています。

・本作は、フランク・ハーバートのSF小説の古典を映像化した作品で、1984年にデイヴィッド・リンチ監督が映画化をしています。

・物語は、砂の惑星アラキス(通称 デューン)を舞台に宇宙を支配できる「メランジ」と呼ばれるスパイスをめぐるストーリーです。

・SF作品としては、「スターウォーズ」でも、「デューン 砂の惑星」の影響を受けており、ジェダイの帰還の際の巨大生物サルラックも、サンドウォームからヒントを得ているということのようで、SFの古典作品で多大な影響を与えていることで知られています。

・とはいえ、1984年版を観ている人には、その影響が大きいと思われ、西暦10190年という突拍子もない設定から、色々と困惑してしまうのは仕方のないところかと思います。

・主人公がアトレイデス家の跡継ぎというところもあり、ある意味主人公の無双感はあります。

・その点はむしろ本作が古典であるが故のわかりやすさではあると思います。

・世界観が独特なところがありますが、きっちりと説明もされており、主人公視点で物語が展開していくので、観づらさは少ないとは思います。

・とはいえ、ある程度設定を理解した上で観たほうがよいので、あらすじや人物相関を見た上で、鑑賞することをおすすめします。

・また、デューン 砂の惑星といえば、サンドウォームではありますが、この迫力や惑星自体の映像美は素晴らしいです。

・SF作品ではありますが、それよりも王子を中心としたドラマと言うところがあり、歴史を観るような感じでの鑑賞でもよいのかともいます。

・本作のみで完結していないので、多少消化不良感がありますので、できれば続編と前日譚を一気観したい作品かとも思えます。

 

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DUNE/デューン 砂の惑星(字幕版)

DUNE/デューン 砂の惑星(字幕版)

  • ティモシー・シャラメ
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【洋画】「マーズ〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】ワイアット・ロックフェラー 
【出演】ソフィア・ブテラ/イスマエル・クルーズ・コルドヴァ/ブルックリン・プリンス/ネル・タイガー・フリー/ジョニー・リー・ミラー/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】人類が火星に移住をした近未来。3人家族、父と母イルザと娘レミは辺境のコロニーに住む家族。ある日、ジェリーと名乗る部外者がやってきて、父親を殺してしまい、そのコロニーに棲みつくようになる。

 

 

マーズ (字幕/吹替)

マーズ (字幕/吹替)

  • ワイアット・ロックフェラー
  • ドラマ
  • ¥2037

 

 

・ワイアット・ロックフェラー 監督は、2013年「Groomed」で短編作を発表し、2021年「Settlers(邦題:マーズ)」で長編映画監督デビューをしています。

・ソフィア・ブテラは、アルジェリアの女優で、「キングスマン」「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」「アトミック・ブロンド」「CLIMAX クライマックス 」など、様々な作品に出演しています。

・序盤から、あまり細かいことは説明されず、とある一家が火星にいるという断片的なことのみでストーリーが始まります。

・娘のみが状況をよく知らされていないということもあり、感情移入の対象は、この娘となってきます。

・窓に「LEAVE」と書かれていることで、3人しかいなかったと思われた場所には、他に誰かいるということがわかります。

・その、姿を現さない刺客は、とあることで、姿を現します。

・そこから、事の深刻さが徐々にわかってきます。

・なお、建物の外でも酸素があるようで、特に宇宙服を着ることもなく、外に出られます。このあたりの説明もありません。

・「ここはあんたたちの家じゃない」

・とある部外者が登場しますが、ジェリーという男は、ある程度ストーリーが進んでから状況を説明し始めます。

・この3人の家族も何故この家にいて、どうしているのはあまり説明されません。

・が、断片的に説明されていくことで、状況がわかってきます。

・30日間の猶予が与えられますが、部外者と家族との一時的な生活が描かれ、絶妙な緊迫感が生まれている状態で日々が過ごされます。

・「ここにひつようなものは揃ってる。すべてな。」

・娘は、この状況に情緒不安定になってきますが、その状況と気持ちがちょっとわからなくなってきます。それは、感情移入していた娘だったのに、観ている側がどこに感情を置いてよいかわからなくなってきます。

・中盤で、大きく物語が展開しますが、重要なシーンは具体的には示されません。

・そこから数年の年月が経過していることが豚の演出でわかります。これはこれでなかなか繊細な演出に思います。

・親を失ったもの同士がどこか心が通い合うような、通い合わないようなそんな空気感でストーリーが展開しますが、実はこの部外者は、ルールを理解すれば、特に悪人でもないような気もします。

・とはいえ、想定すべきなことが起こってしまうわけで、この点の部外者の言葉「人類のためだ」という点は、なかなかコントです。

・さらに問題も起こり、感情移入の先はもとに戻るのですが、地味に奏でられるBGMがこの環境の表現しがたい感情を震わせる感じがします。

・とてもクールな演出の作品であり、説明不足感もありながらも、徐々に状況がわかっていく展開となり、先の展開が読みづらい作品ですが、なかなか興味深く観られた作品です。

 

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マーズ [DVD]

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  • ソフィア・ブテラ
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マーズ(字幕版)

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  • ソフィア・ブテラ
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マーズ(吹替版)

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  • ソフィア・ブテラ
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【洋画】「ラストナイト・イン・ソーホー〔2021〕」を観ての感想・レビュー



【監督】エドガー・ライト  
【出演】トーマシン・マッケンジー/アニャ・テイラー=ジョイ/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 エロイーズは、ファッションデザイナーを希望する専門学校生。寮生活に馴染めず、アパート暮らしを始める。ある日、夢の中で1960年代のソーホーで歌手を目指す女性 サンディに出会う。夢の中のサンディに共感し、現実でも充実した生活を送れるようになるが、夢の中でサンディが殺されてしまう瞬間を目撃してしまう。

 

 

 

 

・エドガー・ライト監督は、幼い頃から映画製作に興味をもち、20歳で「A Fistful of Fingers」を監督します。その後、コメディ番組等を手掛けるようになり、2004年『ショーン・オブ・ザ・デッド』でゾンビコメディ映画を発表しています。その後、クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスに見いだされ、フェイク・トレイラーの「Don't」を監督しています。2017年「ベイビー・ドライバー」もヒットをし、俳優としても、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」に出演したりと、多彩な才能の監督です。

・トーマシン・マッケンジーは、父親が監督、母親が女優として生まれ、2014年「ホビット 決戦のゆくえ」で映画デビューをしています。2018年『足跡はかき消して』で評価され、「ジョジョ・ラビット」「ロストガールズ」などにも出演し、映画やテレビと活躍している女優です。

・物語は、ファッションデザイナーを夢見る主人公が夢の中で出会った女性にシンクロし、実生活での充実し始めますが、夢の中の女性が殺害されるのを目撃してしまい、徐々にトラブルに巻き込まれていくストーリーです。

・序盤よりエロイーズの生活とちょっとしたミュージカル的要素も感じますが、当然選曲感が良く、すんなり本作の本題に入りやすいです。

・田舎町から出てきてロンドンの街の生活に馴染んでいくエロイーズではありますが、その空気感には乗り切れないというところは描かれています。

・中盤から、ちょっとテイストが変わってくるところがあり、ホラー映画の要素がありながらも、タイムトラベルの要素もあり、不可思議な世界観のある作品でもあります。

・夢と現実が描かれるなかで、霊と出会っていくわけですが、1960年代へのタイムスリップ的な要素があり、時代背景はありますが、特に気にする必要はなく、むしろおとぎ話と考えておけば良いです。

・サンディとエロイーズが入れ替わっていくようなところはちょっとおもしろく、見た目もなんとなく似ているところから、虚構と現実の境目を意識させないような演出にもなっています。

・音楽の使い方は相変わらず、高いセンスがありますが、演出的には派手なアクションがある作品でもないので、「ベイビー・ドライバー」と比較すると、控えめな印象があります。

・ホラー要素のある作品ということですが、どちらかといえば、主人公エロイーズが体験する悪夢といった内容でもあり、恐ろしさというよりも、ゴシックホラーを描きたかったというような印象のある作品です。

 

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ラストナイト・イン・ソーホー (吹替版)