ロクカジョウ [映画や商品を紹介]

様々な作品・商品をカジョウ書き(箇条書き)にて紹介します。

【洋画】「ノマドランド〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】クロエ・ジャオ
【出演】フランシス・マクドーマンドデヴィッド・ストラザーン/リンダ・メイ/シャーリーン・スワンキー/
【個人的評価】★★★★☆

【あらすじ】主人公 ファーンは、ネバダ州の企業城下町に住む60代の女性。2008年のリーマンショックの影響で長年住んでいた家を失い、キャンピングカーを中心とした車上生活をするようになります。現代の遊牧民ノマド)として生活することを描いた作品。

 

 

ノマドランド (字幕/吹替)

ノマドランド (字幕/吹替)

  • Chloé Zhao
  • ドラマ
  • ¥2037

 

 

・クロエ・ジャオ監督は、中国の映画監督で、2015年『Songs My Brothers Taught Me』で長編映画監督デビューをしています。2017年『ザ・ライダー』を監督し、様々な賞を受賞しています。2021年「ノマドランド」で、ゴールデングローブ賞監督賞を受賞し、第93回アカデミー賞では、非白人女性として、初めて監督賞を受賞しています。

フランシス・マクドーマンドは、学生時代にに演劇を学び、当時のルームメイトがホリー・ハンターということもあり、映画関係者とつながりがあります。1984年「ブラッド・シンプル」で映画デビューをし、1996年「ファーゴ」2017年「スリー・ビルボード」2021年「ノマドランド」でアカデミー主演女優賞を受賞しています。主演賞を受賞した女優は、キャサリン・ヘップバーンのみで、助演も含め、3回の受賞でみると、メリル・ストリープイングリッド・バーグマンと並ぶ受賞回数があります。アカデミー賞エミー賞トニー賞の演劇の三冠を達成している女優です。なお、1984年にジョエル・コーエン監督と結婚しています。

・本作は、第93回アカデミー賞で、計6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演女優賞を受賞しています。

・物語は、夫に先立たれ、リーマンショックで家を失った女性が自家用車を寝床としながら、遊牧民ノマド)として生活をする女性を描いたドキュメンタリー風のストーリーです。

・アマゾンの倉庫で働くシーンがありますが、本来、なかなか撮影が許されない場所でもあり、なかなかレアな感じはあります。

・高齢の独身女性が生活していくということで、かなりな厳しさが描かれます。

・表面上は気丈に振る舞っていますが、正直かなり厳しい状況ではあります。

・日本でも似たようなことが数年後から起こり始めるようにも思え、ノマドという程の国土が日本にはないだけに、路上での生活者が増えていくるのかもしれません。

・当然、そこまで露骨ではないとしても、生活の困難さを先じて描いている点に関しては、遅かれ早かれ、身近な問題として感じることになるかもしれません。

・ドキュメンタリーに近い演出になっていますが、決して、そういう演出とは違う印象があります。

・夫を失ってしまっていることは中盤でわかります。

・生活していくために、キャンピングカーでのマドの生活をしていきます。

・肉体労働となる短期的な仕事を繰り返しながら、キャンピングカーで寝泊まりをし、日々をくらしていきます。

・観ているうちに、その生活の終焉がなんなのかを考えてしまいますが、車中泊を繰り返していくしかない生活にはかなりな過酷なことが起こります。

・タイヤのパンクもそうだし、修理代もかかり、キャンピングカーの下取り価格も5000ドルにしかならないという現実もあり、アメリカだけでなく、世界的に迎えていく社会問題の縮図かもしれません。

・「ほらね、だからここじゃ暮らせないの」

・終盤で、再度アマゾンの倉庫で働き、新年を荒野で迎えます。

ノマド生活者の仲間はいますが、やはり一筋縄ではいかない感情が刻まれる感じがします。

・本作がアカデミー作品賞を受賞したことについては、かなり意外性を感じます。

・実際、エンタテイメントでもなく、ドラマとも言い難い作品ではあります。

・現在のアメリカで抱える問題を素直に描いた作品ではありますが、観た人になんらかの感情を残す作品ではあります。

 

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ノマド・ランド

ノマド・ランド

  • Windham Hill Records
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【洋画】「ミッドナイト・ファミリー〔2019〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】ルーク・ローレンツェン
【出演】フェール・オチョア/ジョジュエ・オチョア/ Juan Ochoa/マニュエル・ヘルナンデス/フェルナンド・オチョア/ホアン・オチョア/
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】舞台はメキシコシティ。そこでは、900万人の人口に対し、45台程度の公営救急車しかなく、そのため、私営救命救急の救急車が日々病人を搬送しています。

 

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・ルーク・ローレンツェン監督は、大学で美術史を学び、ドキュメンタリー映画の制作を行っています。エミー賞を受賞した実績もあります。

・フェール・オチョアは、メキシコシティで、私営救急車を走らせている一般人です。2019年「ミッドナイト・ファミリー」でドキュメンタリー映画として出演しています。

・本作は、サンダンス映画祭で米国ドキュメンタリー特別審査員賞を受賞しています。

・2020年のアカデミー長編ドキュメンタリー賞の最終候補に選出もされています。

・物語は、メキシコシティを舞台とした作品で、人口に対して公営救急車が足りず、一般人が私営救急車として、けが人や病人を輸送している仕事を描いています。

・序盤からとある事故を手助けしたあとのオチョア一家が描かれます。

・舞台はメキシコシティと言うことでもあり、治安が悪そうに見えますが、ここでメキシコシティの救急体制の現場が語られます。

メキシコシティの人口900万人に対して公営の救急車が45台未満というのは正直医療崩壊していても不思議ではないのです。

・そのために私営の救急隊をオチョア一家は行っていますが、それもまた、ただのボランティアでは済まないところもあります。

・日本では考えにくいところですが、本作は事実を元にしたドキュメンタリーではあります。

・患者を運び日々を生活しますが、自らの使命を感じながら、私営の救急救命を行っています。

・とはいえ、ボランティアではないので、病院への輸送をしたことの輸送費の請求で生計を立てています。

メキシコシティの町並みが映されますが、日本の都市とはさほど変化がないようで、アスファルトや繁華街があり、多くの人が住む都市として成り立っています。

・900万人という人口は、日本で言えば、大阪府と同じ位で、大阪府は約880万人の住む都市となっています。

大阪府の発表している救急出動件数は、約61万件(令和元年)となり、府内の消防救急車の台数が232台となり、これは消防での管轄の台数となります。一般病院の救急車は含まれていないのですが、メキシコシティでの救急体制がかなり特殊な印象を感じます。

・闇救急車と言っても良いわけで、救命のために搬送はしてくれますが、やはり、移送費がかかります。

・昼間は休み、夜に発生する事故などにいち早く駆けつけて、搬送します。

・同業者も多く、救急車がチェイスをしながら、現場に急行し、けが人を搬送します。

・病院への搬送は、状況にもよりますが、都合の良い病院への搬送も描かれます。つまり、病院には所属していないながらも、搬送することで、けが人の治療費のキックバックをもらっているということになります。

・そういうところを観ていくと、人命救護とはなりますが、やはり、生活のかかった仕事とも言えます。

・日本で想像するのであれば、UberEatsの注文をマクドナルドの店頭で待っている配達員と考えれば良いかもしれません。

・ある程度救命に関する知識があるようで、簡易的な治療をしながらの搬送となりますが、どう考えても医師免許はないと思われるので、やはりこの点も、モヤモヤします。

・しかし、本作のポイントは、そんな医療状況を描きながら、自らが活動をし、そのことで生計を立てている状況であり、一つの家族が生きていくために、人命救助と生計を立てるという二面性が無意識に描かれているところにあると思います。

・ドキュメンタリー作品ではありますが、作品としてはうまく編集されており、ドキュメンタリー風の映画とも思えます。少なくとも、観づらいドキュメンタリーではありません。

・日本では考えにくい状況ではありますが、81分間の中でしっかりと描かれたドキュメンタリーではあります。

 

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【洋画】「グンダーマン 優しき裏切り者の歌〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】アンドレアス・ドレーゼン
【出演】アレクサンダー・シェアー/アンナ・ウンターベルガー/ビャルネ・メーデル/ペーター・シュナイダー/ミラン・ペシェル/トルステン・メルテン/アレクサンダー・シューベルト
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公 ゲアハルト・グンダーマンは、褐炭採掘場で働く労働者。仕事後には、自身の作った曲を歌うミュージシャンでもあり、次第に人気を得ていた。その裏で、秘密警察(シュタージ)として活動するスパイでもあった。

 

 

 

 

アンドレアス・ドレーゼン監督は、東ドイツの映画会社で映画を学び、1992年『STILLES LAND (SILENT COUNTRY)』で長編映画監督デビューをしています。2008年『WOLKE NEUN(CLOUD NINE)』では、カンヌ国際映画祭である視点部門審査員注目賞を受賞しています。

・アレクサンダー・シェアーは、1999年『SONNENALLEE(サン・アレイ)』に主演をし、注目をされます。舞台や映画で活躍をしている俳優です。

・本作は、東ドイツの秘密警察に協力していた実在のシンガー・ソングライター、ゲアハルト・グンダーマンの生涯を描いた作品です。

・物語は、褐炭採掘場で働く主人公が、ミュージシャンとして活動をしながらも、その裏で、秘密警察としても活動していたというストーリーです。

・序盤から、主人公 グンダーマンの生活が描かれます。

・グンダーマンを中心としたストーリーでもあり、物語はわかりやすいです。

・なんとなく「ドグマ95」的な撮影手法も取られており、演出としては、ドキュメンタリーのような印象も受けます。

ラース・フォン・トリアーの作品に抵抗のない人なら、観やすいのかもしれませんんが、一般受けのするような演出ではないです。

・グンダーマン自体は、実在した人物でもあり、立場上、二面性のあった人物でもあります。

東ドイツボブ・ディランとも呼ばれていた人物ではありますが、やはり知名度的にはよく知られていないところはあります。

・現在と過去の時間軸が前後するところもあり、多少、整理しながら観る必要があります。ポイントは、主人公ののメガネのデザインで判別ができますが、こういう細かいところで、描かれるところは、演出意図があってのことでもあります。

・東西にドイツが分かれているという時代の物語ではあるので、当時の社会情勢を多少知っている方が良いです。

・終盤にコンサートシーンがありますが、ここのシーンが最後に用意されているのはすべて、布石があったことではあります。

・「せっかくの人生だ」

・「生卵を投げつけるなら僕だけに頼む」

・128分のしっかりと時間のある作品ですが、メッセージとしてはシンプルな作品です。

 

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グンダーマン 優しき裏切り者の歌

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グンダーマン 優しき裏切り者の歌 [DVD]

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【洋画】「ワイルド・スピード/スーパーコンボ〔2019〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】デヴィッド・リーチ
【出演】ドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムイドリス・エルバヴァネッサ・カービーヘレン・ミレン
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】舞台はイギリス・ロンドン。ここで殺人ウィルス「スノーフレーク」を輸送中にMI6に襲われる。さらに科学テロ組織「エティオン」が現れ、MI6にハッティは、自らの体内のウィルスを注入する。科学テロ組織「エティオン」とMI6らのウィルスをめぐる戦いが始まる

 

 

 

 

デヴィッド・リーチ監督は、スタントマン出身の監督であり、ブラッド・ピットジャン=クロード・ヴァン・ダムのスタントを行っています。2014年『ジョン・ウィック』で監督デビューをし、2017年『アトミック・ブロンド』を制作し、この2作で高い評価を得ています。その後、

ドウェイン・ジョンソンは、リングネームを「ザ・ロック」としての異名を持つプロレスラーと俳優の2面性があります。親子三代に渡りプロレスラーとして活躍していましたが、2001年「ハムナプトラ2」にデビューして依頼、俳優としても活躍しています。その後、「スコーピオン・キング」「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」「カリフォルニア・ダウン」「スカイスクレイパー」と主演作も多く、人気の俳優です。

ジェイソン・ステイサムは、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』がデビュー作で、芸歴も長い俳優です。デビュー作から、スキンヘッド風ということもあり、キャラクターイメージはずーーっと一緒な印象ですが、「トランスポーター」等アクション的な活躍が多く、「世界的に有名なカッコイイ坊主」だと思います。

・原題は「Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw」となっており、『ワイルド・スピード ICE BREAK』の出来事の後を舞台としたスピンオフ作品です。

・物語は、殺人ウィルスをめぐるMI6たちとその仲間、そしてテロリストの対決を描いた作品です。

・もともと「ワイルドスピード」は日本独自の題名であり、現在、本家は、9作までが制作されています。

・本作は、8作目『ワイルド・スピード ICE BREAK』の内容のスピンオフです。なので、ポール・ウォーカーヴィン・ディーゼルも出演していません。

ドウェイン・ジョンソンが元アメリカ外交保安部(DSS)捜査官、ジェイソン・ステイサムが元イギリス軍特殊部隊員で元MI6エージェントということでこの時点で、最強感のある2人でもあります。

・どちらもスキンヘッドでもありますが、お互いに特徴あるイケメンスキンヘッドなので、わかりやすさはあります。

ワイルドスピードのスピンオフではありますが、カーアクションはしっかりと継承しており、序盤でのカーチェイスはやはり面白いです。

・中盤にもアクションがありますが、やはり相手役が強敵っぽい印象があるので、こういう展開は面白さが増えます。

・「ターミネータ」や「エイリアン」のようにとても強い相手との対決となると映画としての魅力がかなりあがるように思います。

・ただし、どこかしら、登場人物の誰にも感情移入できないのは、全員が人外のように強いところがあり、ギリギリ、ジェイソン・ステイサム演じるショウが最も人間に近いのかと思います。

・個人的には「アトミック・ブロンド」の素晴らしさもあったデヴィッド・リーチ監督の作品なので、期待するところはありましたが、アトミック・ブロンドのスタイリッシュさとは異なるアクションです。

 

rokukajo.hatenablog.jp

 

 

・とはいえ、まったく見応えがないわけではなく、アクションの描き方は上手いなぁとは思います。

・アクション俳優として地味にキャリアを積んだドウェイン・ジョンソンジェイソン・ステイサムの共演というところで、ワイルドスピードとはまた違った新しい路線を模索しているシリーズなのかもしれません。

136分の映画ですが、エンドクレジットに15分近くの時間を費やしており、部分部分でストーリーが描かれるので、最後の最後まで見ないといけないところはあります。

 

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【洋画】「スティーラーズ〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】マーティン・オーウェン
【出演】ラフ・ロウ/マイケル・ケインレナ・ヘディ/リタ・オラ/ノエル・クラーク/ソフィー・シムネット/ジェイソン・メイザ/フランツ・ドラメー/デヴィッド・ウィリアムズ/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公 オリヴァーは、母親を亡くし、街の壁にグラフィティを描くことを生きがいに生きている青年。ある日警察に追われたところをフェイギンという男に助けられる。そこは盗みを働いて生計を立てている一味らが暮らしていた。

 

 

 

 

・マーティン・オーウェン監督は、イギリスの映画監督で、2016年「バーチャル・ウォーズ」で長編映画監督デビューを指定ます。その後、「キラーズ・セッション」を制作しています。

・ラフ・ロウは、父親にジュード・ロウを持ち、2014年にモデルとしてデビューしています。その後、2010年「Repozesshon Men」で映画デビューをし、テレビや映画で活躍しています。 Rafferty Lawという名前ではありますが、ラフ・ロウ名義で俳優活動をしています。

・物語は、天涯孤独の主人公がグラフィティを街に描くことを生きがいとして生活していたが、警察に追われたところをフェイギンという男に助けられ、その一味と行動をともにし始めるストーリーです。

・オープニングは、ストリートアートにスタッフクレジットがされる演出で、なかなかおもしろくは観られます。

・とはいえ、CGでペインティングしているので、実際にはペイントされていなのかと思います。

・要所要所トリッキーな映像演出がされており、主人公の身軽な動きがとてもわかりやすいです。

・本作は、チャールズ・ディケンズ1838年の小説『オリヴァー・ツイスト』を現代風に解釈した作品です。

・孤独な主人公がとある男と出会うことで、その仲間と仕事をするようになります。

・なんとなく、ベイビードライバーのような感じもしますが、主人公自体は、身軽というところがあるもののさほど超絶的な技があるわけではないです。

・オープニングはテンション高そうに見えますが、だんだんと規模感と展開がビミョーな印象を感じてしまうところがあり、物語に筋がないようなところを感じてしまいます。

・中盤では恋愛的な展開もあり、相手役も可愛らしいのですが、中盤以降は、クライム・サスペンス的にもなります。

・まったく面白くないわけではないのですが、アクションや演出に特長があるだけに、展開やストーリーになんとなくハマりにくい点があり、サクッと観られはしますが、妙に残るものが足りない作品です。

 

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【洋画】「ファーザー〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】フロリアン・ゼレール 
【出演】アンソニー・ホプキンスオリヴィア・コールマン/マーク・ゲイティス/イモージェン・プーツ
【個人的評価】★★★★☆

 

【あらすじ】主人公アンソニーは、ロンドンで一人暮らしをしている81歳。認知症により記憶が薄れ始めて来ており、父と娘の間での絆が描かれる。

 

 

ファーザー (字幕/吹替)

ファーザー (字幕/吹替)

 

 

・フロリアン・ゼレール監督は、22歳の時に小説「人工雪(英題:Artificial Snow)」を発表し、その後、小説家として評価を得ていきます。2021年「ファーザー」で長編映画監督としてデビューをし、才気溢れる監督です。

アンソニー・ホプキンスは、イギリスの俳優で、演劇を学び、軍隊に入隊後、1968年『冬のライオン』で映画初出演をしています。1980年『エレファント・マン』でドクター役などをこなし、1991年『羊たちの沈黙』でアカデミー主演男優賞を受賞しています。その後、2021年『ファーザー』で再度アカデミー主演男優賞を受賞しており、同賞の最年長受賞者となっています。

・第93回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、主演男優賞と脚色賞を受賞しています。

・日本を含め世界30カ国以上で上演された舞台「Le Pere 父」が本作のベースとなっています。

・物語は、認知症になりつつある高齢の父とその子供との物語で、主人公アンソニーは、曖昧な記憶の中、現実と幻想の境目をさまよいながら、ある真実にたどり着くストーリーです。

・まずは、中心となる人物のアンソニーの家に入る娘 アンの姿が描かれ、家にはアンソニーがいるという状況が説明されます。

・そこからアンソニーの日常が描かれますが、感情移入の対象がアンソニーとなるような誘導もされており、認知症ということが観ている側にも理解できるような感じがあります。

・登場人物が限られているところもまた、本作がどの点に着目したらよいかが明確で、中盤までは、アンソニーの内面から物語を理解させ、そこから、周辺の人へと世界観が広がっていく感じもあります。

認知症のアンソニーにまず視点が置かれるため、その認知症に関して悪気があるわけでなく、そういう肉体や精神の衰えを描いているところもあります。

アンソニー・ホプキンスは、本作で、アカデミー主演男優賞を受賞していますが、84歳での受賞は最高齢の受賞でもあります。

・当然、リアルな認知症ではなく、演技ではありますが、その目線やちょっとした動きで認知症を表現している点はとても興味深いです。

・自分には関係がないというわけではないメッセージ性もあり、認知症の当事者やその親類というわけでもない人が観ても、その苦労やどうしようもないことは観ている側にはとてもよく伝わります。

・この観ている側に認知症を感じさせるというのはなかなか高度なことでもあると思います。

アンソニー・ホプキンスの演技と、非常に丁寧な演出が本作の魅力ではあり、認知症や衰えということについて、考えてしまう、そんな作品ではあります。

 

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【洋画】「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】ミカエル・マルシメーン
【出演】アレクサンダー・ドレイマン/アリソン・ウィリアムズ/
【個人的評価】★★★☆☆


【あらすじ】主人公 サラは、友人の結婚式に参加するために、インド洋にある孤島へ小型飛行機で向かおうとするが、そのセスナには元カレ ジャクソンも同乗していた。飛行後、パイロットが6000mの上空で心臓発作を起こして死んでしまう。

 

 

元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件 (字幕/吹替)

元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件 (字幕/吹替)

  • ミカエル・マルシメーン
  • スリラー
  • ¥2037

 

 

・ミカエル・マルシメーン監督は、2012年「コールガール」で長編映画監督デビューをし、トロント国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、注目されています。その後、2014年『Gentlemen』でも話題となっています。

・アリソン・ウィリアムズは、テレビシリーズ『GIRLS/ガールズ』で人気となり、2017年「ゲット・アウト」で映画デビューをしています。テレビや映画で活躍している女優です。

・物語は、友人の結婚式に向かうために小型飛行機に乗るが、その小型飛行機には、元カレも同乗しており、そんななか、飛行中にパイロットが心臓発作で死んでしまう。自動操縦もできず、GPSも無線機器も使えない中、様々なトラブルを負いながら、飛行していくストーリーです。

・本作は、原題が「Horizon Line」となっており、邦題は当初『元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話』となっていましたが、トラブルがあり、「元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件」と改訂されています。

・そもそも、「予告に登場する飛行機はセスナ機ではない」ということも由来しています。

・が、そんなことよりも、改題前でも後でも、邦題の言葉的に、なかなか挑戦的な邦題だと思います。

・むしろ邦題だけでお腹いっぱいな感じです。

・ちなみに「セスナ」は、セスナ・エアクラフト・カンパニーの名称で商標にも抵触したのかなぁとは思います。

・序盤から、元カレのことがえがかれながら、サラの周辺人物の関係が描かれます。

・元カレという題名ではありますが、さほど険悪な別れ方をしていないので、再会してたことで、ついつい燃え上がってしまいます。

・このあたり、題名から「だけは絶対に避けたい件」という意味合いがちょっと違うなぁと思ってしまいます。

・麻ひもっぽいものを命綱に飛行機の外に出るのは、なかなかなコントです。

・「あなた本当にスゴかった、バカだけど、最高だった」

・ここでのジャクソンの返し言葉は、そこそこイケメンだから良いのかなぁと思うわけで、人によっては、こんなこと言われたくないとは思うでしょう。

・期待を軽くするために心臓発作で死んだパイロットの扱いがちょっとなぁ・・・と思います。

・お酒を燃料として使う伏線は、本作冒頭で「伏線あるある」的で、もうこうなるのは想定できるよなぁとは思います。

・ちなみに、カラビナが映るシーンがありますが、100円ショップのカラビナっぽさがあり、まあ、体を維持するカラビナではないのですが、なかなかな低予算ぽさがあります。

・燃料が増えるのはわかりますが、オイルメーター自体は、中身の可燃性問わずなきがしますので、液体が入ることで、メーターが戻るのは当然なのかなぁと思います。

・中盤をすぎると、「とりあえず、トラブルをぶっ込んで、そのトラブルをなんとか乗り越えていく2人を描いていけば、なんとかなるんじゃないかなぁ」という飛行機を継続飛行させていく点と、映画の展開を継続展開していくところに、2つの意味でハラハラ感を感じます。

・ある程度は、ご都合的な展開となりますが、物語の半分が、飛行機内の2人劇ともなっているので、低予算あるある的な作品です。

・とはいえ、それほどテンポも悪くないので、サクッと観るには良い作品です。

 

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