ロクカジョウ [映画や商品を紹介]

様々な作品・商品をカジョウ書き(箇条書き)にて紹介します。

【日本映画】「あいが、そいで、こい〔2018〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】柴田啓佑 
【出演】小川あん/高橋雄祐/長部努/古川ヒロシ/廣瀬祐樹/中垣内彩加/ 山田雅人/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 萩尾亮は、海辺の田舎町に住む高校生。同級生の学、小杉、堀田とともに高校最後の夏休みを過ごす。そこでイルカの調教師を目指して台湾から来た留学生のリンと出会う。

 

 

 

 

・柴田啓佑監督は、2014年『ひとまずすすめ』で高い評価を得て、2015年に劇場公開しています。2016年『運命のタネ』でも評判となり、コンスタントに作品を送り出しています。

・高橋雄祐は、2016年『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』で映画デビューをしています。その後、2018年『あいが、そいで、こい』で映画初主演をし、映像制作にも関わっています。

・小川あんは、スカウトされ、ストリートダンス美少女として中学生アイドルとして活躍しています。その後、2014年『パズル』で映画初出演をし、テレビドラマや映画で活躍しています。

・物語は、高校の夏休みでの出来事を描いた内容です。

・「あいが、そいで、こい」というのは、本作の舞台でもある和歌山県の方言で、「あれが、それで、これ」という意味となります。

・序盤は、社会人になった亮が高校時代を回想する展開で、物語が始まります。

・イルカの調教師として台湾から来た留学生と出会うわけですが、主人公がもうちょっと主人公ぽい感じが欲しかったような気もしますが、観ているうちにだんだん感情移入できるようなところが、そのポイントでもあります。

・和歌山県の田舎町という設定で、時代設定も2001年ということもあり、どこかしら昭和感のある感じがします。

・高校生の仲間との日々とそこに来た留学生の話が展開していくわけで、なんというか、学生時代の夏休みって、こんな感じだったよなぁと思わせる感があります。

・高校時代と現代とが多少前後しながら描かれますが、登場人物が限られているので、だいたいわかります。

・留学生のリンの事情があり、そのことが中盤で描かれていきます。

・そのことがから、亮とリンの関係が近づいていきますが、この距離感がなんとも言えない感じがあります。

・「ここに来た理由はなんや?」

・「ルールはルールや」

・「今の亮、おもんな、おもんな、おもんな」

・終盤の展開は、シレッと肩透かしながらも、さっぱり描いているところでもあり、甘酸っぱいというのはこういうことだよなぁとも思うところがあります。

・115分の内容ではありますが、適度な長さであり、この夏の感覚が良いなぁとは思う作品です。

 

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【日本映画】「胸が鳴るのは君のせい〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】髙橋洋人
【出演】浮所飛貴/白石聖/板垣瑞生/原菜乃華/河村花/若林時英/箭内夢菜/入江海斗/浅川梨奈/RED RICE/
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 篠原つかさは、明るく前向きな女子高生。ある日、同じクラスに転入してきた有馬隼人が気になり、告白をするが、振られてしまう。それでも諦めずにアプローチを続け、徐々にその関係が変わってくる。

 

 

胸が鳴るのは君のせい

胸が鳴るのは君のせい

  • 高橋洋人
  • 日本映画
  •  

 

 

・髙橋洋人監督は、テレビや舞台などの演出を行い、2021年「胸が鳴るのは君のせい」で長編映画監督デビューをしています。

・浮所飛貴は、ジャニーズJr.のユニット「美 少年」に所属し、2020年「真夏の少年〜19452020」で俳優デビューをし、2021年「胸が鳴るのは君のせい」で映画初主演をしています。

・白石聖は、2019年に雑誌「ゼクシィ」の12代目CMガールに選ばれ注目されます。その後、テレビドラマに出演をし、2020年「恐怖新聞」では主演も演じています。

・主題歌は、美 少年 / ジャニーズJr.「虹の中で」となっています。

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・原作は、紺野りさのコミックとなっており、2020年10月時点で単行本の累計発行部数は250万部となっており、すでに完結しています。

・すべての「片思い経験者」の胸をならす、恋と青春の醍醐味がたっぷり詰まった「共感必至の青春ラブストーリー」となっているようです。

・主に主人公の視点は、篠原つかさ目線となっていると思われるので、女性の人に楽しめる作品かと思います。

・とはいえ、こういう場合、どちらの目線からでも共感できる要素があるのが、アオハル的な恋愛作品かと思います。

・序盤から、つかさと隼人の2人の関係が描かれますが、高校3年になる前に、告白をしてフラれます。

・ここから物語が進んでいきますが、普通にわかりやすい導入です。

・先生の見回りでバレないように、男子のふとんの中に隠れるといったようなわかりやすい展開もあります。

・浮所飛貴はイケメンというところのポジションですが、演技的にはちょっと頑張ってほしいところはあります。

・学校行事での自然学舎的なシーンは当然イベント必至であり、女子が男子の部屋を訪問するなど、あるある的な内容にもなっています。

・予定調和的な展開を外してくる序盤ですが、その後は当然に学園恋愛ものとしてしっかりと踏襲してくるところもあり、気楽に観られる作品でもあります。

 

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【日本映画】「あのこは貴族〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】岨手由貴子
【原作】山内マリコ
【出演】門脇麦/水原希子/高良健吾/石橋静河/山下リオ/佐戸井けん太/篠原ゆき子/石橋けい/山中崇/高橋ひとみ/津嘉山正種/銀粉蝶/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公は20代後半の箱入り娘 華子。結婚相手に振られ相手探しに焦る中、弁護士との結婚が決まる。富山から上京した美紀は、仕事も恋人も特に執着がなく、東京にいる意味を見いだせずにいた。そんな中、2人が出会う。

 

 

あのこは貴族

あのこは貴族

  • 岨手由貴子
  • 日本映画
  • ¥2037

 

 

・岨手由貴子監督は、、ENBUゼミナールの映画監督コースに通い、2004年『コスプレイヤー』で、ぴあフィルムフェスティバル2005に入選しています。2015年『グッド・ストライプス』で長編映画監督デビューをしています。

・門脇麦は、ニューヨーク生まれの東京育ちで、宮崎あおいや蒼井優の作品を観て、役者を志しています。一癖ある映画に数多く出演しており、個性的な若手女優としては、個人的に非常にツボな役者です。

・水原希子は、アメリカ人と日本生まれの韓国人のハーフで、2003年に『Seventeen』の専属モデルとして活躍後、『ViVi』に専属モデル、『MAQUIA』の専属モデルで活躍し、2009年『ノルウェイの森』で映画デビューをしています。映画やテレと幅広い活躍をしている女優です。

・原作の山内マリコは、2008年短編「十六歳はセックスの齢」で第7回R-18文学賞・読者賞し、以降、短編集『ここは退屈迎えに来て』『アズミ・ハルコは行方不明』などの作品を発表しており、映画化されている作品も多くあります。

・物語は、都会生まれの箱入り娘と地方出身の2人を主軸とし、20代後半から30代にかけて息苦しさを抱える女性たちが、軽やかに変化していく姿を描いたストーリーです。

・物語は、いくつかの章があり、一章「東京」二章「外部」三章「邂逅」四章「結婚」五章「彷徨」となっています。

・まずは、華子の話が描かれ、良家の娘ということで、多少一般的な家庭よりも裕福な家柄で描かれます。

・男性を紹介してくれるということで訪ねたお店で、おしゃれなレストランと、居酒屋とでの違いで、思い込みではありますが、華子とその友達の里英の違いがよくわかります。

・大学での友達同士での会話も噛み合う部分とそうでない部分が見え隠れすることで、階級の違いにより、住む世界が違うことがわかります。

・本作は、その階級を描きながらも、それぞれの個人として他の世界が魅力的に見えるという点と、自己主張という点が見え隠れしているように思われます。

・豆知識として、政治家の息子の場合は、あまり難しい名前を名づけないところがあるのがわかります。

・水原希子は、顔立ちが派手なので、大学入学の頃と、現在とでは随分とイメージが異なる感じがします。まあ、化粧でかなり変わるのはわかりますけど。

・「この子たち、貴族」

・「もう、婚期逃しまくりだよ。」

・女性側からみた社会階級の構成でもあり、意外とこういうヒエラルキーを感じるのは、学生時代から新社会人に多いのかもしれません。

・中盤で、バイオリンの演奏が描かれますが、ここで、徐々にバラバラだった人物関係が急速に繋がりはじめます。

・多少、物語の時間軸が前後しますが、各キャラクターの相関図が結びつくところに気持ちよさがあります。

・それぞれのキャラクターの視点から物語が描かれたあとの相関の結びつきなので、その結びつき方のそれぞれの視点と感じ方がスッと入ってくるような演出力があると思います。

・「女はサーキュレーターだと思っているのかなぁ」

・華子と美紀と逸子の3人が会って話をするシーンがありますが、育ちの違いが如実に出てきます。

・やはり、同じ場所や空間にいながらも、それは階級の違いがあれど、たまたま同じ環境に居合わせる範疇での出来事であり、実際にはお互いの許容範囲ギリギリの場所であるということをなんとなく感じさせるところです。

・亮子と幸一郎の別れ話のシーンでも、居酒屋だからこそ成立するようなところでもあり、その言葉遣いや振る舞いにも違いが出てくるような気がします。

・「全部、美紀さんのものだから」

・「うちの地元だって、町から出ないと親の人生トレースしている人ばっかりだよ」

・華子と美紀の会話で、隣の芝生が青いような印象を受ける表現がありますが、この格差から生まれる価値観の違いから、どのような環境にあっても、人それぞれに大切ななにかがあるようなきがします。

・「みんなの幻でつくられていく、憧れの東京」

・そんなセリフもありますが、本作で描かれる要素は、その格差を描いているというよりも、大切ななにかの違いを描いているようなそんな気もします。

・女性視点からの女性の物語では有りますが、そんなことよりも、環境の違いとその違いでも、大切なものがなにかということを問いかけてくるような、そんな作品かもしれません。

 

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あのこは貴族 [DVD]

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【日本映画】「すくってごらん〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】真壁幸紀
【原作】大谷紀子
【出演】尾上松也/百田夏菜子/柿澤勇人/石田ニコル/矢崎広/大窪人衛/清水みさと/辻本みず希/北山雅康/鴨鈴女/やのぱん/竹井亮介/川野直輝/笑福亭鶴光/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公 香芝誠は、些細なことで左遷させられてしまったエリート銀行マン。左遷された片田舎の町で、金魚すくいをする店を営む吉乃と出会う。

 

 

 

 

・真壁幸紀監督は、「踊る大捜査線」「ALWAYS 三丁目の夕日」で監督助手を務めた後、2015年「ボクは坊さん。」で長編監督デビューをしています。

・尾上松也は、六代目尾上松助の息子であり、二代目尾上松也を襲名しています。2001年「シベリア超特急2」で映画デビューをしており、その後、テレビや映画に出演しています。

・百田夏菜子は、2008年「ももいろクローバー」のメンバーとなり、活動をしています。その時のエビゾリジャンプや高い身体能力が注目されています。なお、当時のサブリーダーが脱退した2011年に「ももいろクローバーZ」と改名しています。2015年『幕が上がる』で「ももいろクローバーZ」メンバーと共に映画出演しています。2021年「すくってごらん」では、ヒロインとして出演しています。

・主題歌は、「赤い幻夜」生駒吉乃(Vo. 百田夏菜子)となっています。

・物語は、エリート銀行員の主人公が左遷され、その後、左遷された田舎町で、金魚すくい屋の店主と出会い、生き方を見直して行くストーリーです。

・序盤より、主人公の説明が行われていきますが、多くの説明は、主人公の独白と字幕と、歌で行われます。

・どうも断片的な点で描かれるので、いまいちストーリーに魅力を感じないまま、展開していきます。

・百田夏菜子の大阪弁とエクボは個人的にとてもツボです。エクボって妙な魅力があります。

・要所要所ミュージカル的な要素があり、ラップも取り入れたようなシーンもあり、リズム感が良いです。

・フルコーラスで歌が挿入されるシーンが多く、ミュージカルというにはちょっと違うかなぁというところがあります。

・また、韻を踏んだ台詞回しで演出がされており、ちょっとおもしろいです。

・それを歌舞伎役者の尾上松也がやっているところに面白みがあると言っても良いかもしれません。

・「あんたの一生のうちの3分間を俺にくれよ」

・中盤まで観ていくと、本作はやはりミュージカルなのかなぁと思わせるところがありますが、その観方で良いのかと思います。

・百田夏菜子がガッツリピアノが弾けていて凄いところはありますが、自慢の身体能力の披露はないのでちょっと残念です。

・歌詞の中に「ほとんどエンディング、まもなくエンドロール」という遊び要素もあり、ストーリーとミュージカル的な要素を織り交ぜた実験作品となります。

・とにかく、尾上松也の歌の魅力にしっかりとハマれる作品ではあります。

 

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【日本映画】「蒲田前奏曲〔2020〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】中川龍太郎/穐山茉由/安川有果/渡辺紘文
【出演】伊藤沙莉/瀧内公美/福田麻由子/古川琴音/松林うらら/近藤芳正/須藤蓮/大西信満/和田光沙/吉村界人/川添野愛/山本剛史/二ノ宮隆太郎/葉月あさひ/久次璃子/
【個人的評価】★★★☆☆

 

【あらすじ】主人公は、売れない女優 蒲田マチ子。彼女の日々を通じて友人や仕事などを描いた作品。

 

 

蒲田前奏曲

蒲田前奏曲

  • 中川龍太郎, 穐山茉由, 安川有果 & 渡辺紘文
  • 日本映画
  • ¥2037

 

 

・中川龍太郎監督は、高校在学中に詩集を出版、その後大学では映画製作を始め、2012年「Calling」でボストン国際映画祭の最優秀撮影賞受賞する。その後、『愛の小さな歴史』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』など、世界的に評価される作品を送り出しています。

・松林うららは、モデルとしてスカウトされ、2012年「1+1=11(イチタスイチハイチイチ)」で映画デビューをしています。その後、舞台やテレビドラマに出演しており、2020年『蒲田前奏曲』ではプロデュースも手掛けています。

・伊藤沙莉は、2003年『14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜』で芸能界デビューをし、話題となっています。2006年「イヌゴエ 幸せの肉球」で映画デビューをし、脇役から主演まで器用にこなす俳優です。ハスキーボイスが特長で、アニメの声優やナレーションもこなしています。

・瀧内公美は、映画のエキストラがきっかけで事務所に所属をし、その後、2014年『グレイトフルデッド』で映画初主演を果たしています。その後、『日本で一番悪い奴ら』『彼女の人生は間違いじゃない』などの作品に出演し、独特な存在感のある女優です。

・本作は、「蒲田哀歌」中川龍太郎、「呑川ラプソディ」穐山茉由、「行き止まりの人々」安川有果、「シーカランスどこへ行く」渡辺紘文の4人の監督がそれぞれの作品を手掛けて1本にまとめた作品です。

・物語は、売れない女優 蒲田マチ子を通じて描かれる友人や仕事などの人間関係を描いた作品です。

・4本の作品が混ざっている点と、FIXのカメラワークで淡々とドキュメント風に描かれるところに、ストーリー性を理解するのもなかなか難しいところになります。

・実際のところ、一人の女性を中心とした群像劇的なところがあり、理解に関してはなかなか難しいところになります。

・なんというか、観ている側を拒絶しているような感じもあり、とりあえずは、この世界にいる人々の傍観者として観るのが良いかと思います。

・「この映画よくわかんないですよね」

・3作目の「行き止まりの人々」で出てくる言葉ですが、どうも意味深ではあります。

・4話目の「シーカランスどこへ行く」で、本作を3周くらい回った視点での描かれ方をされているようで、この脚本はずるいような気もします。

・題名が「蒲田前奏曲」とはあり、やはり「蒲田行進曲」を感じてしまうところがあリますが、関連性はありません。

・「ありません」と書くとちょっとモヤモヤしますが、よくよく思うと、蒲田行進曲の構成だけを切り取ると、なんとなくこの題名にした意味がわかるような気もします。

・「面白いのか?」と聞かれると、ちょっと回答に困ってしまうような作品でもあり、人を選ぶのかもしれません。

 

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蒲田前奏曲 [DVD]

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蒲田前奏曲

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蒲田行進曲

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【日本映画】「きまじめ楽隊のぼんやり戦争〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】池田暁
【出演】前原滉/今野浩喜/中島広稀/清水尚弥/橋本マナミ/矢部太郎/片桐はいり/嶋田久作/きたろう/竹中直人/石橋蓮司
【個人的評価】★★★☆☆

【あらすじ】主人公 露木は、どの時代でもない、架空の街に住む兵隊。川をはさんで何十年も戦争している町で、
毎日、朝9時から夕方5時までが戦争の時間となっている世界。とある理由で、音楽隊に編入することになるが、そこで、川の向こう側からも音楽が聞こえることに気がつく。

 

 

きまじめ楽隊のぼんやり戦争

きまじめ楽隊のぼんやり戦争

  • 池田暁
  • 日本映画
  • ¥2037

 

 

・池田暁監督は、2007年『青い猿』で初の長編映画を手掛け、第29回ぴあフィルムフェスティバルにて観客賞を受賞しています。その後、2013『山守クリップ工場の辺り』でも話題となり、2017年『うろんなところ』でも、第30回東京国際映画祭、第47回ロッテルダム国際映画祭、第20回台北映画祭、第35回エルサレム映画祭などで上映され、注目されている映画監督です。

・前原滉は、テレビドラマで活躍をし、2015年「S -最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」で映画デビューをしています。その後、映画やテレビ、舞台と幅広い活躍をしている俳優です。

・第21回東京フィルメックスで審査員特別賞を受賞しています。

・物語は、川を挟んだ町同士が、原因のわからない戦争を何十年も続けており、そこで、主人公の兵隊が音楽隊に編入したことでさまざまなことが起こるストーリーです。

・序盤から、音楽隊とその町の雰囲気が描かれ、昭和感のある町であることがわかります。

・古めかしさと合わせて、定時に始まり、提示に終わる戦争という不条理なところもあり、シニカルな要素を込めて作られているのかと思います。

・主人公以外の多くのキャラクターものがたりが入り混じっており、この世界観を見事に構築しています。

・「余計なことは言わず、簡潔に答えて。」

・この鉛筆を投げるシーンは好きです。

・殺伐としている感がありますが、当事者ではない状況でみると面白いです。

・「口が利けない人は、いいえと言えませんから」

・このやり取りは結構長い感じがしますが、これはもうコントです。

・延々と、棒読み演技と、棒のような歩みや動きが独特で、映画というよりも、舞台を見ているような感じがします。

・音楽隊という要素が重要ではなく、その周辺を取り巻く世界観が本作のポイントかとも思います。

・当然、終盤の演奏にはちょっと心動かされるところがありますが、とはいっても、漠然としたナニカに対して、なんとも言い表しくいナニカに気持ちを持っていかれる感じがします。

・終盤の大砲演習はさすがに、「なんの弾を撃ったんだ?」と思ってしまうところがあります。

・全体的にシュールな作品であり、俳優の演技すらもコントロールしてしまっている作品ではありますが、むしろこの感覚は、アキ・カウリスマキの作品にも見られるような要素ではあり、やっと日本にも、このような演出が受け入れられるのかなぁと思ったりします。

・好みが大幅に分かれそうな作品なので、万人におすすめする作品ではありませんが、こういう寓話的な作品に興味がある人にはおすすめできます。

 

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【日本映画】「地獄の花園〔2021〕」を観ての感想・レビュー

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【監督】関和亮
【原作】バカリズム
【出演】永野芽郁/広瀬アリス/菜々緒/川栄李奈/大島美幸/勝村政信/松尾諭/丸山智己/遠藤憲一/小池栄子/
【個人的評価】★★★☆☆


【あらすじ】主人公 直子は、ごく普通のOL。会社の裏では、OL同士が派閥を作り、社内闘争と社外のなわばり争いが起こっていた。そんな中、中途採用されたOL 蘭は、最強なOLで、一日にして社内の派閥を治めてしまう。

 

 

地獄の花園

地獄の花園

  • 関和亮
  • ドラマ
  • ¥2037

 


・関和亮監督は、ミュージックビデオ等で活躍をし、Perfumeの初期のPVやビジュアルを手掛けています。CMやドラマを手掛けて折、2015年『Living Behavior 不可思議/wonderboy 人生の記録』で映画監督デビューをしています。

・永野芽郁は、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインを演じており、今後の活躍に期待できます。なお、好きなお笑い芸人は「なかやまきんに君」だそうです。

・広瀬アリスは、モデルとしてスカウトされ、2009年『Seventeen』の専属モデルとなっています。2010年の『明日の光をつかめ』でテレビドラマデビューをしており、2014年『銀の匙 Silver Spoon』で映画デビューもしています。妹は広瀬すずで、広瀬アリスのアリスは芸名で、名付けた理由は不明とのこと。本名は「広瀬 晶」です。

・バカリズムは、1995年から2005年まで活動していたお笑いコンビ名ではありますが、現在は、コンビを解消をして、コンビ名を引き継いでいます。ソロ芸人となった以降は、フリップ芸や大喜利で人気を博しています。

・主題歌は、LiSAの「Another Great Day!!」で、作曲は松本孝弘(B'z)です。

・物語は、普通のOLの主人公と、社内派閥で争うヤンキーOLたちの争いを描いたコメディストーリーです。

・序盤から、普通のOLの生活が描かれ、直子視点の生活が独白で描かれます。

・ヤンキーOLが登場し始めると、コント感が出てくるのがわかりますが、その要素をさも自然に見せるところが、本作の良いところで、「翔んで埼玉」の見せ方よりも、作り込まれた感ではない、きっちりとした説得力で描かれているところが良いです。

・中盤までは、社内派閥と、中途採用の蘭の争いが描かれますが、普通にしたいOLと派閥を争うヤンキーOLという図式となり、コミカルに描かれます。

・もともと、バカリズムが原作となっており、シュールな設定で笑いを作る点については、コント感覚で良いです。

・遠藤憲一がとても楽しそうな感じがします。

・中盤で乱闘するところは、お台場でもあり、かなりな破天荒な撮影だったなぁとは思います。

・「そんなにたくさんないからさ、喧嘩しないで食べてね。」

・中盤以降は、序盤で積み重ねたシュールなコントの応用編となる構造です。

・コントの構造として、どのくらいの長さが心地よいのか?というところが重要であり、描ききるちょっと前の寸止めで止めるところで、観ている側を煽る感じで良いオチとなるのかと思います。

・発想としては、「架空OL日記 」にも通じるところがあり、観ている対象に対してその対象に身近な話題を180度違う視点を持ち込んで笑いを作る手法でもあり、面白くないと感じる人は、その対象に近い位置にいる人なのかもしれません。

・制作側の意図と反するように見えますが、実際、「何かを揶揄っている」点に対し、どう共感するのかで、その感覚の受け入れ方が変わるのかと思います。

・むしろ、カテゴライズされた文法として上澄みだけを判断する立場な人には受け入れやすいのかと思います。

・ちなみに。典型的な漫画展開を考えると、「ベラベラしゃべるほうが負ける」というルールが「あるある」ですが、この点は語られません。

・ヤンキーが好んで着ている洋服が妙な動物キャラの服という点も「あるある」ですが、あの主張は何なのかがよくわかりません。

・終盤、広瀬アリスが倒れるときのネックレスの動きはちょっと気になります。

・細かいツッコミどころは多いのですが、102分のバカリズムのコントと思えばよいのかと思います。

・102分のコントが良いのか悪いのかは観た人が感じればよいかと思いますが、多少出オチ感はあります。

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地獄の花園

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  • 永野芽郁
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地獄の花園 ボールペン

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